相続・事業承継-相続税の課税財産
2020年9月学科第55問

ピックアップ過去問解説

問題

相続税の課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.被相続人が交通事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、相続人が受け取った対人賠償保険の保険金は、相続税の課税対象となる。

2.契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となる。

3.被相続人から相続時精算課税による贈与により取得した財産は、その者が相続または遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。

4.相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。



解答・解説

解答:1

 少し難しかったかもしれませんが、相続税の課税財産は相続税の基本となる項目です。
どのような場合に相続税の課税対象になり、どのような場合にならないのか、区別ができるように慣れておきましょう。

(選択肢 1) 不適切
対人賠償保険から受け取る保険金は非課税です。個人が受け取る、物の損害に対しての保険金や、身体のケガなどに対しての保険金・給付金および自動車保険における被害者が受け取る賠償金は、原則的に非課税です。

(選択肢 2) 適切
契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となります。ただし、相続放棄をした者が受け取った保険金には生命保険における非課税の適用はありません。

(選択肢 3) 適切
 相続時精算課税制度により受け取った贈与財産は、その者が相続または遺贈によって財産を取得していなくても相続財産に加算されます。贈与税の基礎控除額110万円以下の贈与であっても加算の対象となります。

(選択肢 4) 適切
相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となります。


※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。



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