相続税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべきであった死亡退職金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものを相続人が取得した場合は、死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
2.被相続人の死亡によって相続人に支給される弔慰金は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡当時における普通給与の5年分に相当する金額まで相続税の課税対象とならない。
3.相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
4.死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の算式により計算した金額である。
解答:2
相続・事業承継から、相続税の非課税財産に関する問題です。
相続が発生した場合、被相続人の各種の財産のうち、課税財産の価額は相続税の課税価格に算入されますが、非課税財産の価額は相続税の課税価格に算入されません。
今回の問題は、試験によく出る定番の項目が出題されていますので、課税・非課税をしっかり区別できるようにしておきましょう。
(選択肢1)適切
被相続人の死亡後3年以内に支払額が確定した死亡退職金については、みなし財産として相続税の課税対象となり、相続人が取得した場合は「500万円×法定相続人の数」までの金額が非課税となります。
(選択肢2)不適切
被相続人の死亡により相続人に支給される弔慰金は、業務上の死亡の場合は「被相続人の死亡当時の普通給与の3年分」まで、業務外の死亡の場合は「被相続人の死亡当時の普通給与の半年分」まで、相続税の課税対象となりません。
(選択肢3)適切
死亡保険金については、選択肢1の死亡退職金の場合と同様に、相続人が取得した場合は死亡保険金の非課税金額(500万円×法定相続人の数)の規定の適用を受けられます。ただし、相続人以外の者(相続の放棄をした者など)が死亡保険金を取得した場合は、非課税金額の規定の適用を受けられません。
(選択肢4)適切
死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」により計算されます。相続人が死亡保険金を取得した場合、上記の非課税限度額まで相続税がかかりません。なお、複数の相続人が死亡保険金を取得した場合は、上記の非課税限度額を各相続人の受取保険金の額で按分した金額がそれぞれ非課税となります。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢2が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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