相続・事業承継‐相続税における宅地の評価
2018年9月学科第58問

ピックアップ過去問解説

問題

相続税における宅地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があり、それぞれの評価において用いる路線価および倍率は、いずれも路線価図に公表されている。

2.路線価方式における路線価とは、路線に面している標準的な宅地の3.3㎡当たりの価額である。

3.宅地の評価方法として、路線価方式と倍率方式のうち、どちらの方式を採用するかについては、納税者が任意に選択することができる。

4.倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式である。


解答・解説

解答:4

相続・事業承継から、宅地の評価に関する問題です。2級FP試験(学科)では、2~3回に1回程度出題されているテーマです。

今回は、路線価方式と倍率方式に限定して出題されています。それぞれの方式の特徴をおさえておきましょう。


【路線価方式】

  • 路線(道路)に面している標準的な宅地1㎡当たりの土地の評価額で評価する方式。
  • それぞれの路線価は、国税庁から路線価図により公表される。

【倍率方式】

  • 路線(道路)に面している標準的な宅地1㎡当たりの土地の評価額で評価する方式。
  • それぞれの倍率は、国税庁から評価倍率表により公表される。

なお、路線価図や評価倍率表は、国税庁ホームページにおいて、年分・地域別に公表されています。

 

(選択肢1)不適切

相続税における宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。路線価方式とは、路線(道路)に面している標準的な宅地1㎡当たりの土地の評価額で評価する方式です。倍率方式とは、路線価が定められていない地域の宅地について、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価する方式です。路線価は路線価図において、倍率は評価倍率表において、それぞれ国税庁により公表されています。

(選択肢2)不適切

路線価方式とは、路線(道路)に面している標準的な宅地の1㎡当たりの価額(路線価)で評価する方式です。路線価に地積(宅地の面積)をかけて評価額を計算します。

(選択肢3)不適切

市街地にある宅地については、設定されている路線価をもとに宅地の評価額を計算する必要があります。一方、市街地以外にあり路線価が設定されていない宅地については、固定資産税評価額に、一定の倍率をかけて計算することになります。路線価方式と倍率方式については、納税者が任意に選択することはできません。

(選択肢4)適切

倍率方式とは、路線価が定められていない地域の宅地について、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価額を計算する方式です。なお、倍率は、国税局長により、地域や土地の種類ごとに定められています。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「6-5 相続財産の評価」 宅地の評価方法


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