相続・事業承継‐取引相場のない株式(類似業種比準価額)
2018年5月学科第60問

ピックアップ過去問解説

問題

 取引相場のない株式に係る類似業種比準価額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、類似業種比準価額の計算に影響を与える他の要素については、考慮しないものとする。

  1. A社は土地を売却する予定であり、売却すると多額の売却損の発生が予想されるため、この土地の売却により類似業種比準価額を引き下げることができると考えている。
  2. B社は、類似業種比準価額の計算上、配当、利益および純資産という3つの比準要素のウエイトが「1:3:1」であるため、今後は、配当や純資産の引下げに努めるよりもウエイトの高い利益の引下げ(圧縮)に努めた方が、類似業種比準価額の引下げ効果は大きいと考えている。
  3. C社はこれまで無配であったが、今期、創業30年の記念配当を実施する予定であり、この配当を実施すると、比準要素のうちの配当がゼロからプラスになるため、類似業種比準価額が上昇するのではないかと考えている。
  4. D社の株式評価上の会社規模は、現在、中会社であるが、類似業種比準価額の計算上の斟酌率は会社規模が大きいほど小さくなるため、会社規模を大会社にさせて類似業種比準価額を引き下げたいと考えている。

解答・解説

解答:1

相続・事業承継から、取引相場のない株式(類似業種比準価額)に関する問題です。

2級FP試験(学科)では、「取引相場のない株式」が時おり出題されています。出題頻度が高い項目ではありませんが、相続・事業承継で基礎が固まり、さらに得点を伸ばしたい人は、このレベルの問題を解けるようにしておきましょう。

「取引相場のない株式」とは、「全国の各証券取引所に上場されている株式及び気配相場等のある株式」以外の株式をいいます。代表的なものは、非上場会社の経営者等が所有する自社株です。

「取引相場のない株式」については、評価額が高くなり相続税の計算に大きな影響を与える場合があります。

一般的な評価会社の場合、「取引相場のない株式」の評価額は、会社の規模に応じ、以下の方式により計算されます。類似業種比準価額は、大会社の原則的評価として使用されますが、中会社や小会社の場合にも、併用方式の一部として使用されます。

規模

原則的評価

備考

大会社

類似業種比準価額

純資産価額の方が低い場合は、
純資産価額で評価することもできる

中会社

併用方式

類似業種比準価額と純資産価額の加重平均

小会社

純資産価額

併用方式による評価額の方が低い場合は、
併用方式で評価することができる。


類似業種比準価額の計算式は以下の通りです。


(選択肢1)適切

類似業種比準価額は、配当・利益・簿価純資産3つの要素により影響を受けます。評価会社において、これら3つの金額が高ければ、類似業種比準価額も高くなり、3つの金額が低ければ、類似業種比準価額も低くなる、という関係になります。 土地・建物等を売却して、売却損が生じた場合、利益と簿価純資産の減少につながるため、類似業種比準価額を引き下げる効果があります。

(選択肢2)不適切

2017年(平成29年)1月1日以後に発生した相続・贈与から、類似業種比準価額の計算上、配当・利益・簿価純資産の比重(ウエイト)が、「1:3:1」から「1:1:1」に変更されています。このように変更されたのは、利益の圧縮による評価額の引下げ策が目立っていたためです。利益の圧縮は、改正前には評価額の引下げに対し大きな影響を与えていましたが、改正後には影響が小さくなっています。

(選択肢3)不適切

類似業種比準価額の計算上、配当には、特別配当や記念配当は含まれないことになっています。これまで無配の会社が記念配当を実施しても、配当の要素には影響を与えません。むしろ、記念配当を実施した分、簿価純資産が減少するため、類似業種比準価額を引き下げる効果があります。

(選択肢4)不適切

類似業種比準価額の計算上、斟酌率は、大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5と定められています。斟酌率は、会社規模が大きいほど高くなります。会社規模を中会社から大会社にすると、斟酌率が高くなるため、類似業種比準価額を引き上げる場合があります。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


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