問題
贈与税の申告と納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 贈与税の申告書の提出期間は、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までである。
- 贈与税の申告書の提出先は、原則として、受贈者の住所地の所轄税務署長である。
- 贈与税の納付について認められる延納期間は、最長で10年間である。
- 贈与税を延納するためには、納付すべき贈与税額が10万円を超えていなければならない。
解答・解説
解答:3
相続・事業承継から、贈与税の申告・納付に関する問題です。
贈与税の申告・納付(延納を含む)については、以下の点を必ずおさえておきましょう。
【贈与税の申告と納付(原則)】
- 申告・納付期間:贈与年の翌年2月1日から3月15日まで
- 申告書の提出先:受贈者の住所地の所轄税務署長
【贈与税の延納】
- 贈与税を延納するためには、納付すべき贈与税額が10万円を超えている必要がある。
- 贈与税の延納期間:最長で5年間
- 贈与税については、一定の場合に延納は認められるが、物納は認められない。(物納は相続税のみ)
(選択肢1)適切
贈与税の申告期間(申告書の提出期間)は、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。なお、翌年2月16日から3月15日まで(所得税の確定申告期間)ではありませんので、ご注意ください。
(選択肢2)適切
贈与税の申告書の提出先は、原則として、受贈者(受け取った人)の住所地の所轄税務署長です。ただし、非居住無制限納税義務者などの場合、納税地を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければなりません。その申告がないときは、国税庁長官が納税地を指定し、これを納税義務者に通知します。
(選択肢3)不適切
贈与税の延納期間は、最長5年間です。なお、相続税の延納期間は、一般の場合は最長5年間ですが、相続財産に対する不動産等の割合が5/10以上の場合は不動産等部分の相続税については最長15年間、動産等部分の相続税は最長10年間、不動産等の割合が3/4以上の場合は不動産等部分の相続税については最長20年間などと定められています。
(選択肢4)適切
贈与税の延納の適用については、納付すべき贈与税額が10万円を超え、かつ、納期限までにまたは納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由がある場合に限られます。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
学習するには
「6-4 贈与と贈与税」 贈与税の計算