不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合は、その土地の登記記録に借地権設定の登記がなくても、借地権が設定されていることがある。
2.公図(旧土地台帳附属地図)は、登記所に備え付けられており、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として有用である。
3.登記の目的が抵当権の設定である場合、不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。
4.不動産登記には公信力があるため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引した場合には、その登記記録の内容が真実と異なっていても法的な保護を受けることができる。
解答:4
不動産の登記や調査はほぼ毎回出題されます。
論点も大体決まったものが選ばれますので、基本のポイントを押さえておけば、比較的得点しやすい項目です。
(選択肢1) 適切
不動産の登記記録において、土地の所有者とその土地上の建物の所有者が異なる場合は、借地人は、その土地の登記記録に借地権設定の登記がなくても、建物について登記をすれば第3者に対抗することが出来ます。
(選択肢2) 適切
公図(旧土地台帳附属地図)は、登記所に備え付けられていて、対象とする土地の位置関係等を確認する資料として有用です。
(選択肢3) 適切
抵当権設定登記は、権利部の乙区に記録されています。権利部の甲区には、所有権に関する事項が記録されています。
(選択肢4) 不適切
登記には公信力がありません。このため登記の内容を信じて取引をしても法的な保護は受けられません。
◆学習のポイント
不動産登記の効力
・対抗力が生じる
対抗力とは、自分の権利を第三者に対して主張することができる法的効力のことをいいます。
・登記は先に登記したものが優先される
例えば、Aさんが所有する土地について、BさんとCさんの両方と二重に売買契約した場合、BさんもCさんも買主としての地位を得たことになります。このとき、もしCさんが先に登記をしたならば、Cさんの権利が優先されることになります。
・不動産登記には公信力がない
公信力とは、登記を信じて取引をした場合、その取引が保護される効力のことをいいます。公信力がないということは、登記の内容と真実の権利関係が違っていた場合、登記通りの権利関係があると信じて取引しても、法的にその取引が保護されないということになります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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