不動産‐建築基準法
2020年1月学科第45問

ピックアップ過去問解説

問題

 建築基準法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建築物を建築することができないが、建蔽率および容積率を算定する際の敷地面積に算入することができる。
  2. 建築物の高さに係る道路斜線制限は、すべての用途地域における建築物に適用されるが、用途地域の指定のない区域内の建築物には適用されない。
  3. 日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)は、原則として、工業専用地域、工業地域、準工業地域および商業地域を除く用途地域における建築物に適用される。
  4. 建築物の敷地が、準工業地域と工業地域にわたる場合において、当該敷地の過半が工業地域内であるときは、原則として、ビジネスホテルを建築することができない。


解答・解説

解答:4

不動産から、建築基準法に関する問題です。

建築基準法は、不動産科目の最重要分野で、試験での出題頻度が高くなっています。セットバック、道路斜線制限、日影制限、用途地域の用途制限については、今回の問題のような基本的な内容・事例をおさえておくことが正解へのカギとなります。

各選択肢の解説で重要な部分(太字部分)をおさえておきましょう。


(選択肢1)不適切

都市計画区域において、幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているものは2項道路といいます。2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされます。みなし道路境界線から道路までの部分(セットバック部分)は、建築物を建築することができず、容積率や建ぺい率を算定する際の敷地面積に算入されません。

(選択肢2)不適切

道路斜線制限は、すべての用途地域における建築物だけでなく、用途地域の指定のない区域内の建築物も適用対象となります。なお、道路斜線制限は、建築物の高さに関する制限で、前面道路の反対側の境界線からの水平距離に対する高さの比率の上限となります。

(選択肢3)不適切

日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)は、住居系の用途地域・近隣商業地域・準工業地域が適用対象となり、商業地域・工業地域・工業専用地域は適用対象外です。したがって、準工業地域における建築物については、日影規制の適用対象となります。

(選択肢4)適切

建築物の敷地が異なる用途地域にわたる場合、その敷地全体に対して、過半の属する用途地域の用途制限が適用されます。したがって、敷地が準工業地域と工業地域にわたり、その敷地の過半が工業地域内である場合、工業地域の用途制限が適用されます。工業地域の場合、住宅・共同住宅は建築することができますが、ホテル・旅館は建築することができません。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「5‐3 不動産に関する法令」 建築基準法


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