不動産‐不動産の登記
2020年1月学科第41問

ピックアップ過去問解説

問題

 不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 不動産の売買契約を締結した当事者は、当該契約締結後1ヵ月以内に、所有権移転の登記をすることが義務付けられている。
  2. 不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。
  3. 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
  4. 不動産の抵当権設定登記をした場合、当該不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。

解答・解説

解答:3

不動産から、不動産の登記に関する問題です。

不動産登記制度は、不動産の状況や権利関係を誰でも確認できる状況にすることで、不動産の取引の安全と円滑を図ることを目的としています。

登記内容が記録される帳簿のことを登記記録(登記簿)といいます。登記記録は、磁気ディスク等で管理されており、誰でも請求によって、登記事項証明書や登記事項要約書を取得することができます。登記事項証明書とは、登記記録の全部または一部を証明する書面のことです。一方、登記事項要約書とは、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面のことです。なお、登記事項要約書は、閲覧用のため、登記事項証明書と違い、証明力はありません。


【不動産登記の効力】

・対抗力が生じる

 対抗力とは、自分の権利を第三者に対して主張することができる法的効力のことをいいます。

・登記は先に登記したものが優先される

 例えば、Aさんが所有する土地について、BさんとCさんの両方と二重に売買契約した場合、BさんもCさんも買主としての地位を得たことになります。このとき、もしCさんが先に登記をしたならば、Cさんの権利が優先されることになります。

・不動産登記には公信力がない

 公信力とは、登記を信じて取引をした場合、その取引が保護される効力のことをいいます。公信力がないということは、登記の内容と真実の権利関係が違っていた場合、登記通りの権利関係があると信じて取引しても、法的にその取引が保護されないということになります。


【不動産登記の構成】


(選択肢1)不適切

不動産の権利(所有権など)の登記については、法律上の義務はありません。ただし、トラブルを防止するために、不動産の売買契約を行った場合には、一般的に代金の受け渡しと同時期に登記が行われています。なお、不動産の表示の登記については、申請の義務があります。例えば、建物を新築した場合の表題登記などは申請の義務が課されています。

(選択肢2)不適切

登記事項証明書の交付請求は、手数料を納付すれば誰でも行うことができます。登記所の窓口で直接請求するほかに、郵送やオンラインでの請求も可能です。

(選択肢3)適切

権利(所有権など)に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、その利害関係者の承諾があるときに限り、申請することができます。

(選択肢4)不適切

不動産の抵当権設定登記は、当該不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名・名称などが記載されます。なお、登記記録の権利部甲区には所有権に関する事項が記載され、権利部乙区には所有権以外の権利(抵当権、地上権、賃借権など)に関する事項が記載されます。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「5‐1 不動産の調査」 不動産登記制度


過去問分析と試験対策が無料でご覧いただけます

スタディングは、いますぐ無料でお試しできます。

無料で基本講座をお試し

動画/音声講座、テキスト、スマート問題集、セレクト過去問題集、実技試験対策講座、要点まとめシート(暗記ツール)付き!
ガイダンス【FP3級試験の特徴と短期合格の秘訣】
ガイダンス【時間をかけずにFP2級に合格する勉強法】

近年9年の過去問から出題傾向を分析
無料特典冊子・問題

【FP試験過去問分析‐詳細版(2級/3級)】
【実技試験の傾向と対策(日本FP協会・きんざい)】
【よく出る一問一答集60 FP2級・3級】

無料講座と無料セミナーを試してみる