土地の価格に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答:1
不動産から、土地の価格に関する問題です。
この問題では、契約解除、瑕疵担保責任、手付金などについての基礎知識が問われています。
不動産から、土地の価格に関する問題です。
土地の価格は、主なところでは4種類あるところから、1物4価ともいわれます。
この4種類の価格は、取引や行政目的等により、それぞれの価格が存在しています。その4つの価格とは、実勢価格、公示価格と基準地標準価格、路線価(相続税評価額)、固定資産税評価額の4種類です。(公示価格と基準値標準価格を分ける場合は、5種類となり、1物5価という場合もあります。)
試験でもよく出題される重要分野です。
それぞれの価格の特徴をしっかりおさえた上で、つぎの項目の違いを覚えてください。
①価格の決定機関 ②実施目的 ③基準日 ④発表時期 ⑤公示価格に対しての割合
【土地の価格】
■実勢価格
実勢価格とは、実際に取引が成立した価格、および周辺の実例に基づく取引価格から推定される土地価額の水準のことをいいます。実勢価格は、当事者の需要と供給の関係で決まります。
■公示価格
①決定機関は、国土交通省です。 ②実施目的は、一般の土地取引価格や公共事業用地を取得する際の指標とするためです。
③基準日は、毎年1月1日です。 ④発表時期は、3月下旬ごろになります。
■基準値標準価格
基準地標準価格は、公示価格の半年後に調査して、公示価格発表後の価格の変動や調査地点等を補っています。
①決定機関は、都道府県です。 ②実施目的は、一般の取引価格の指標となることと、公示価格を補うことです。
③基準日は、毎年7月1日です。 ④発表時期は、9月下旬ごろになります。 ⑤公示価格に対しての割合は、100%です。
■路線価(相続税評価額)
路線価とは、宅地が面する路線ごとに付けられた1m2あたりの価格のことです。また、相続の時に土地の評価をするための指標ともなります。そのため、相続税評価額とも呼ばれています。 試験では、どの価格で土地の評価計算をするのかを問われることがありますので、路線価=相続税評価額と覚えておきましょう。
①決定機関は、国税局(国税庁)です。 ②実施目的は、相続税、贈与税の計算の算定基準とすることです。
③基準日は、毎年1月1日です。 ④発表時期は、7月ごろになります。 ⑤公示価格に対しての割合は、約80%が目安となっています。
ただし、全国の全ての土地に路線価が設定されているわけではありません。 相続税などの計算では、路線価の付されているところでは、路線価に土地面積と調整率を乗じて求める路線価方式が採用されています。
■固定資産税評価額
固定資産税評価額は、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税などを算出するための基準になるものです。
①決定機関は、各市町村及び東京都(特別区)です。 ②実施目的は、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税などを算出するためです。
③基準日は、3年ごとの1月1日です。 ④発表時期は、4月1日ですが、閲覧できるのは、所有者や固定資産税の納税者などの利害関係者に限られます。
⑤公示価格に対しての割合は、約70%が目安となっています。
土地の価格については、上記のような特徴をおさえておけば、スムーズに解答することができます。それでは、各選択肢を見ていきましょう。
(選択肢1)不適切
相続税路線価は、公示価格の約80%が目安となります。各国税局(国税庁)が、毎年7月1日に、1月1日時点の路線ごとに付けられた1m2あたりの価格を公表します。
(選択肢2)適切
固定資産税評価額は、原則として3年ごとの基準年度に評価替えが行われます。各市町村及び東京都(特別区)が公表を行い、固定資産税や都市計画税などを算出する基礎となる評価額で、公示価格の約70%が目安となります。
(選択肢3)適切
公示価格は、毎年1月1日を価格判定の基準日としています。国土交通省が公表し、一般の土地取引価格や公共事業用地を取得する際の指標とされています。
(選択肢4)適切
基準値標準価格は、毎年7月1日を価格判定の基準日としています。都道府県が公表し、一般の取引価格の指標となることと、公示価格を補うことが目的とされています。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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