借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
解答:1
不動産から、不動産の賃貸契約(借家契約)に関する問題です。
2級FP試験(学科)の不動産では、借地借家法に関する問題が出題されていますが、借地契約(借地権)と借家契約(借家権)のいずれもよく出題されています。
借家契約は、普通借家契約(定期借家契約以外の建物賃貸借契約)と定期借家契約(定期建物賃貸借契約)の2つに大別されます。普通借家契約と定期借家契約において規定が異なる場合があるため、その違いに注意しながら、ポイントをおさえましょう。
(選択肢1)不適切
普通借家契約では、契約期間は原則として1年以上でなければなりません。もし1年未満の期間を定めた場合には、「期間の定めのない契約」とみなされます。「期間の定めのない契約」では、解約する場合、貸主からは6ヵ月、借主からは3ヵ月の期間をおいて解約の申込をする必要があります。なお、定期借家契約では、1年未満の期間を定めることも可能です。
(選択肢2)適切
定期借家契約では、契約期間が1年以上の場合、賃貸人(貸主)が期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、賃借人(借主)に対して、契約終了の通知をしなければなりません。この通知がないまま期間が満了した場合、普通借家契約に移行します。
(選択肢3)適切
借家契約では、造作買取請求権が認められています。造作買取請求権とは、賃借人が賃貸人の同意を得て借家に付加したエアコンなどの造作を、借家契約終了の際、賃貸人に買い取らせることのできる権利を意味します。ただし、定期借家契約・普通借家契約のいずれにおいても、造作買取請求権を放棄させる旨の特約は有効です。
(選択肢4)適切
借家契約では、原則として、契約期間内に中途解約をすることができません。ただし、定期借家契約では、床面積200㎡未満の居住用建物について、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物を生活の本拠として使用することが困難となった場合には、賃借人が解約の申入れをすることができます。この場合、解約の申入れの1ヵ月後に定期借家契約が終了します。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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