不動産-不動産の有効活用
2016年9月学科第50問

ピックアップ過去問解説

問題

 不動産の有効活用手法の一つである等価交換方式の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.等価交換方式では、土地所有者は、建物の建設資金を負担することなく、出資割合に応じて、建設された建物の一部を取得することができる。

2.等価交換方式では、所有権を有する土地だけでなく、借地権や底地であっても、等価交換の対象となる。

3.等価交換方式によって土地を譲渡した土地所有者は、「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」の適用を受けることにより、
 当該譲渡所得に対して課税されない。

4.等価交換方式では、建物建設事業に必要な業務をデベロッパーに任せることができるため、土地所有者にかかる当該業務負担が軽減される。



解答・解説

解答:3

不動産から、不動産の有効活用に関する問題です。

この問題では、等価交換方式に関する基本的な理解が問われています。

等価交換方式とは、土地所有者と事業者が、共同してマンションやビル等を建築する方式です。

等価交換方式では、土地所有者は、土地を現物出資し、デベロッパーは、建物の建築費用を出資して収益物件を建築します。その後、お互いの出資割合に応じて、その敷地と建物の共同持ち分をそれぞれ取得します。

等価交換方式の最大のメリットは、土地の所有者側に建築資金の負担がないことです。同時に、デベロッパーのノウハウも利用でき、運営・管理もまかせられます。

さらに、
・土地の一部持分譲渡に伴う譲渡所得については、等価交換に係る課税の繰り延べ制度を利用できること。
・建物を賃貸すれば、その建物は「貸家」評価となるので、相続税評価を引き下げる効果があること。
 等のメリットがあります。


これを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。


1)適切

等価交換方式では、土地の所有者は土地を出資する代わりに、デベロッパーが建築費用を負担して建てた建物の一部を取得することになります。
建物の建築費用を準備しなくてもよいのが大きなメリットです。

2)適切

等価交換方式では、借地権や底地も等価交換の対象となります。地主と借地人がそれぞれ借地権と底地を交換して、お互い独立した所有権を持つ土地にする場合などに利用されます。

3)不適切

「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」は課税が繰延されるもので、課税されなくなるわけではありません。
さらに、この特例を受けたとしても、当該譲渡による収入金額の20%~30%は課税対象となるので不適切です。

4)適切

建物建設事業に必要な運営・管理業務はデベロッパーが行うため、土地の所有者の負担が少ないのが特徴です。


設問3が難問ですが、他の3つが基本問題ですので、設問3が分からなくても消去法で正解したい問題です。

この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。


※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


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「5-6 不動産の有効活用」 不動産有効活用の手法


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