民法に基づく建物の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1.買主が解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主はその手付の倍額を買主に償還することにより、売買契約を解除することができる。
2.売買の目的物である建物が、売買契約締結後引渡しまでの間に、売主の責めに帰すべき事由によって滅失した場合には、買主は売主に対して、損害賠償の請求をすることができるが、契約の解除はできない。
3.売買の目的物である建物が、売買契約締結後引渡しまでの間に、自然災害などの売主の責めに帰すべき事由によらずに毀損した場合には、買主は売主に対して、代金の減額を請求することができる。
4.売買の目的物である建物が引き渡されて10年が経過していても、買主が建物の瑕疵を知ってから3年以内であれば、買主は売主に対して、損害賠償の請求をすることができる。
解答:1
この問題では、手付金、危険負担、瑕疵担保責任についての基礎知識が問われています。
手付金の放棄や倍額償還によって契約の解除ができるのは、契約を結んだどちらか一方が契約の履行に着手するまでです。
危険負担とは、売買契約締結時から物件の引き渡しまでの間に起こる物件の破損や滅失に対するリスクを売主と買主のどちらが負うかというものです。
通常、売り主に責任がない天災等の場合は、買主が危険を負担しなければならず、たとえ物件が滅失したとしても代金を支払う義務が発生します。
ただし、売主の過失など売主側に責任がある場合は、買主は契約解除・損害賠償請求ができます。
瑕疵担保責任とは、売買物件において通常の取引上の注意を払っても発見できないような欠陥のことを隠れた瑕疵といいます。その隠れた瑕疵に対して
責任を負うことが瑕疵担保責任です。
もし購入不動産に、隠れた瑕疵を見つけた場合、買主が売り主に損害賠償を請求できます。
また、その瑕疵によって契約の目的を果たせない場合は、契約を解除することもできます。
注意すべき点は、買主がその権利を行使できるのは、瑕疵を知った時から1年以内ですので、しっかり覚えておきましょう。
解約手付の場合、契約の履行に着手するまでの間であれば、売主はその手付の倍額を買主に償還することにより、売買契約を解除することができます。
売主の責めに帰すべき事由によって滅失した場合には、買主は売主に対して、契約解除・損害賠償請求ができます。
自然災害などの売主の責めに帰すべき事由によらずに毀損した場合には、買主は売主に対して、代金の減額を請求することができません。
買主は瑕疵を知ってから1年以内であれば、契約解除できます。また、契約を解除できないときは損害賠償のみを請求できます。
ただし、引き渡しを受けてから10年経過後は時効となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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