問題
次のうち、所得税の計算において、分離課税の対象となる所得はどれか。
- 不動産の貸付けにより賃貸人が受け取った家賃に係る所得
- 会社員が定年退職により会社から受け取った退職一時金に係る所得
- 契約者(=保険料負担者)が生命保険契約に基づき受け取った死亡保険金に係る所得
- 年金受給者が受け取った老齢基礎年金に係る所得
解答・解説
解答:2
タックスプランニングから、所得税における所得の分類に関する問題です。
所得税では、個人の所得は10種類に分類され、それぞれの所得により課税方法が異なります。
所得税の課税方法には、総合課税と分離課税があります。個人の所得は、原則として総合課税の対象となりますが、例外的に分離課税で課税される所得もあると考えてください。
総合課税とは、10種類の所得のうち、いくつかの所得を合計して総合的に課税する方法です。
一方、分離課税とは、税金の種類によって、ほかの所得とは合算せずに、単独で課税する方法です。分離課税はさらに、申告分離課税と、源泉分離課税に大別されます。
これを踏まえて、4つの選択肢を見ていきましょう。
(選択肢1)総合課税
不動産の貸付けにより賃貸人が受けとった家賃は、不動産所得に該当します。不動産所得は、総合課税の対象となります。
(選択肢2)分離課税
会社員が定年退職により会社から受け取った退職一時金は、退職所得に該当します。退職所得は、分離課税(申告分離課税)の対象となります。
(選択肢3)総合課税
契約者(=保険料負担者)が生命保険契約に基づき受け取った死亡保険金は、一時所得に該当します。一時所得は、総合課税の対象となります。
(選択肢4)総合課税
年金受給者が受け取った老齢基礎年金は、公的年金等に係る雑所得に該当します。公的年金等に係る雑所得は、総合課税の対象となります。
この問題は「分離課税」の対象となる所得を選ぶ問題なので、選択肢2が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
学習するには
「4‐2 所得の計算」 所得の分類と計算