タックスプランニング‐所得税における各種所得等
2018年9月学科第32問

ピックアップ過去問解説

問題

 所得税における各種所得等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 発行済株式総数の3%未満の株式を所有する株主が受ける上場株式等に係る配当等は、その金額の多寡にかかわらず、申告不要制度を選択することができる。
  2. 不動産の貸付けが事業的規模である場合、その貸付けによる所得は事業所得となる。
  3. 退職一時金を受け取った退職者が、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、退職一時金の支給額の20.42%が源泉徴収される。
  4. 年間の給与収入の金額が1,000万円を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、確定申告を行わなければならない。

解答・解説

解答:1

タックスプランニングから、所得税の各種所得等に関する問題です。

2級FP試験(学科)では、所得税の各種所得に関する問題が毎回1題程度出題されています。

所得税では、10種類の所得について、以下のような内容が問われています。

・所得の分類(どの所得に該当するか)

・申告・課税方法(源泉分離課税、申告分離課税、総合課税、申告不要)

・税率(源泉徴収税率など)

所得税の各種所得は毎回のように出題される定番問題ですので、今回のような過去問を数多く解くことで、しっかりと対応できるようにしておきましょう。


(選択肢1)適切

上場株式等の配当等は、原則として総合課税の対象ですが、申告分離課税や申告不要制度を選択することも可能です(大口株主※を除く)。大口株主以外の一般的な株主の場合、上場株式等の配当等は、配当金額の多少にかかわらず、申告不要制度を選択することができ、非上場株式等の配当等は、少額配当※の場合に限り、申告不要制度を選択することができます。

※大口株主とは、発行済株式総数の3%以上の株式を所有する株主です。
※少額配当とは、1銘柄につき1回10万円以下の配当です。

(選択肢2)不適切

不動産の貸付けによる所得は、貸付けが事業的規模かどうかにかかわらず、不動産所得となります。なお、不動産所得は、総合課税の対象です。

(選択肢3)不適切

退職所得は分離課税の対象となります。退職者が退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合には、退職一時金の支給額から納付すべき所得税・復興特別所得税が源泉徴収されるため、確定申告は原則として不要です。一方、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合には、支給額の20.42%(所得税・復興特別所得税)が源泉徴収されます。

(選択肢4)不適切

年間の給与収入が2,000万円を超える給与所得者は、年末調整の対象とならないため、確定申告をする必要があります。なお、1ヵ所から給与を受けている個人で給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合、2ヵ所から給与を受けている個人で主たる給与以外の収入と給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合にも、確定申告をする必要があります。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「4‐2 所得の計算」 所得の分類と計算


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