問題
法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 法人税法上の法人には、普通法人、公益法人等、人格のない社団等などの種類があり、それぞれの種類について納税義務の有無や課税所得等の範囲が定められている。
- 法人税における事業年度は、法令または定款等により定められた1年以内の会計期間がある場合はその期間をいう。
- 法人税の確定申告書は、原則として、各事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
- 新たに設立された株式会社が、設立第1期から青色申告を行う場合は、設立の日から6ヵ月以内に、「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。
解答・解説
解答:4
タックスプランニングから、法人税の仕組みに関する問題です。
2級FP試験(学科)のタックスプランニングでは、法人税の基礎知識に関する問題が出題されています。
法人税の納税義務者と課税所得等の範囲、事業年度、確定申告書の提出期限、青色申告承認申請書の提出期限については、いずれもよく出題されますので、確実におさえておきましょう。
法人税の納税義務者と課税所得の範囲
(選択肢1)適切
法人は、普通法人、公益法人等、人格のない社団等、協同組合等、公共法人の5つに分類されます。これらの各法人は、課税される所得の範囲が異なります。 公共法人には、法人税の納税義務がありません。公益法人等と人格のない社団等については、収益事業から生じた所得にのみ課税されます。普通法人と協同組合等については、全ての所得に課税されます。
(選択肢2)適切
事業年度とは、法人の所得計算における会計期間です。通常、法令や定款等に会計期間が定められています。法人の場合は、各事業年度において発生した所得について、法人税を計算します。法人の事業年度は、1年以内の期間で法人が任意に決めることができます。例えば、事業年度が4月1日から翌年3月31日の場合、この期間ごとに法人税が計算されます。
(選択肢3)適切
法人は、原則として各事業年度終了の翌日から2ヵ月以内に確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出し、法人税を納付しなければなりません。
(選択肢4)不適切
「青色申告承認申請書」の提出期限は原則として、青色申告の承認を受けようとする事業年度開始の日の前日までです。ただし、新設の普通法人(株式会社など)の場合は、設立の日以後3ヵ月を経過した日と最初の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日となります。
例えば、新設の普通法人A(決算日:各年3月31日)において、設立の日が4月1日の場合、3ヵ月を経過した日(7月1日)と最初の事業年度終了の日(翌年3月31日)とのうちいずれか早い日(7月1日)の前日である6月30日が「青色申告承認申請書」の提出期限となります。一方、新設の普通法人B(決算日:各年3月31日)において、設立の日が3月1日の場合、3ヵ月を経過した日(6月1日)と最初の事業年度終了の日(3月31日)とのうちいずれか早い日(3月31日)の前日である3月30日が「青色申告承認申請書」の提出期限となります。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
学習するには
「4‐6 法人税・消費税」 法人税