下記<A社のデータ>に基づき算出されるA社株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
<A社のデータ>
株価 | 3,000円 |
経常利益 | 250億円 |
当期純利益 | 150億円 |
自己資本(=純資産) | 600億円 |
総資産 | 1,500億円 |
発行済株式数 | 1.5億株 |
配当金総額 | 90億円 |
解答:3
金融資産運用から、株式の投資指標に関する問題です。
株式投資の銘柄選択のときには、選択の基準が必要になります。その際には、株式の収益性や安全性など、投資判断としての指標が大切です。株式の投資指標は、様々な投資尺度に照らして、数値で検討できるものです。
株式の投資指標には多くの種類がありますが、全てを利用する必要はないものの、複数の指標を使って、比較検討することが一般的です。
FP試験では、特によく用いられる投資指標の計算式など基本知識が問われます。
よく出題される投資指標は、以下の5種類です。
・PER(株価収益率)=株価÷1株当たり(当期)純利益
・PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株当たり純資産
・配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100
・配当性向=(1株当たり)年間配当金÷(1株当たり)当期純利益×100
・ROE(自己資本当期純利益率)=当期純利益÷自己資本×100
これを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。
(選択肢1)適切
PER(株価収益率)は、株価が1株当たり(当期)純利益の何倍になっているかを示す指標です。
PERの計算式は「株価÷1株当たり(当期)純利益」です。A社のデータより、1株当たり純利益は、150億円÷1.5億株=100円と計算されます。
したがって、A社のPERは、3,000円÷100円=30.0倍となります。
(選択肢2)適切
PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍になっているかを示す指標です。
PBRの計算式は「株価÷1株当たり純資産」です。A社のデータより、1株当たり純資産は、600億円÷1.5億株=400円と計算されます。
したがって、A社のPBRは、3,000円÷400円=7.5倍となります。
(選択肢3)不適切
ROE(自己資本当期純利益率)は、自己資本を用いてどれだけ利益を上げたかを示す指標です。
ROEの計算式は「当期純利益÷自己資本×100」です。
したがって、A社のROEは、150億円÷600億円×100=25.0%となります。
(選択肢4)適切
配当性向は、当期純利益に対する年間配当金(配当金総額)の割合を示す指標です。
配当性向の計算式は「(1株当たり)年間配当金÷(1株当たり)当期純利益×100」です。
したがって、A社の配当性向は、90億円÷150億円×100=60.0%となります。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
スタディングは、いますぐ無料でお試しできます。
動画/音声講座、テキスト、スマート問題集、セレクト過去問題集、実技試験対策講座、要点まとめシート(暗記ツール)付き!
ガイダンス【FP3級試験の特徴と短期合格の秘訣】
ガイダンス【時間をかけずにFP2級に合格する勉強法】
【FP試験過去問分析‐詳細版(2級/3級)】
【実技試験の傾向と対策(日本FP協会・きんざい)】
【よく出る一問一答集60 FP2級・3級】
無料講座と無料セミナーを試してみる |