金融資産運用-株式の投資指標
2020年1月学科第25問

ピックアップ過去問解説

問題

下記<A社のデータ>に基づき算出されるA社株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。


<A社のデータ>

株価 3,000円
経常利益 250億円
当期純利益 150億円
自己資本(=純資産) 600億円
総資産 1,500億円
発行済株式数 1.5億株
配当金総額 90億円


  1. PER(株価収益率)は、30.0倍である。
  2. PBR(株価純資産倍率)は、7.5倍である。
  3. ROE(自己資本当期純利益率)は、40.0%である。
  4. 配当性向は、60.0%である。

解答・解説

解答:3

金融資産運用から、株式の投資指標に関する問題です。

株式投資の銘柄選択のときには、選択の基準が必要になります。その際には、株式の収益性や安全性など、投資判断としての指標が大切です。株式の投資指標は、様々な投資尺度に照らして、数値で検討できるものです。

株式の投資指標には多くの種類がありますが、全てを利用する必要はないものの、複数の指標を使って、比較検討することが一般的です。

FP試験では、特によく用いられる投資指標の計算式など基本知識が問われます。

よく出題される投資指標は、以下の5種類です。

・PER(株価収益率)=株価÷1株当たり(当期)純利益

・PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株当たり純資産

・配当利回り=1株当たり年間配当金÷株価×100

・配当性向=(1株当たり)年間配当金÷(1株当たり)当期純利益×100

ROE(自己資本当期純利益率)=当期純利益÷自己資本×100


これを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。


(選択肢1)適切

PER(株価収益率)は、株価が1株当たり(当期)純利益の何倍になっているかを示す指標です。
PERの計算式は「株価÷1株当たり(当期)純利益」です。A社のデータより、1株当たり純利益は、150億円÷1.5億株=100円と計算されます。
したがって、A社のPERは、3,000円÷100円=30.0倍となります。

(選択肢2)適切

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株当たり純資産の何倍になっているかを示す指標です。
PBRの計算式は「株価÷1株当たり純資産」です。A社のデータより、1株当たり純資産は、600億円÷1.5億株=400円と計算されます。
したがって、A社のPBRは、3,000円÷400円=7.5倍となります。

(選択肢3)不適切

ROE(自己資本当期純利益率)は、自己資本を用いてどれだけ利益を上げたかを示す指標です。
ROEの計算式は「当期純利益÷自己資本×100」です。
したがって、A社のROEは、150億円÷600億円×100=25.0%となります。

(選択肢4)適切

配当性向は、当期純利益に対する年間配当金(配当金総額)の割合を示す指標です。
配当性向の計算式は「(1株当たり)年間配当金÷(1株当たり)当期純利益×100」です。
したがって、A社の配当性向は、90億円÷150億円×100=60.0%となります。


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


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「3-4 株式投資」 株式の投資指標


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