金融資産運用‐ジュニアNISAとつみたてNISA
2019年5月学科第28問

ピックアップ過去問解説

問題

 「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」および「つみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、ジュニアNISAにより投資収益が非課税となる口座をジュニアNISA口座、つみたてNISAにより投資収益が非課税となる勘定をつみたてNISA勘定という。

  1. ジュニアNISA口座の投資上限金額は、年間120万円である。
  2. ジュニアNISA口座では、口座開設者が3月31日において20歳である年の前年の12月31日まで、払出し制限がある。
  3. つみたてNISA勘定を通じて購入することができる限度額(非課税投資枠)は、年間40万円である。
  4. つみたてNISA勘定を通じて公募株式投資信託を購入した場合、その譲渡益が非課税となるのは最長で5年間である。

解答・解説

解答:3

金融資産運用から、ジュニアNISAとつみたてNISAに関する問題です。

ジュニアNISAとつみたてNISAについては、非課税投資額や払出し制限、非課税期間を中心におさえておきましょう。


NISA】

 NISA(ニーサ)とは、証券会社・銀行等の非課税口座内で購入した株式・投資信託等の利益が非課税になる制度です。正式には、少額投資非課税制度といいます。
 NISAという愛称は、Nippon Individual Savings Account の頭文字から名づけられています。イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした、日本版の投資非課税制度という意味合いです。
 政府は「貯蓄から投資(資産形成)へ」というスローガンを掲げる中、株式・投資信託等への投資を促進するため、2014年(平成26年)1月にNISAをスタートしています。

 なお、以下のジュニアNISAやつみたてNISA以外のNISAを一般NISAと呼ぶ場合もあります。一般NISAの非課税投資額は年間120万円までで、非課税期間は最長5年間です。

【ジュニアNISA】

 NISAは20歳以上の人しか口座を開設できないのですが、20歳未満の人が同様に非課税制度を利用できるようにしたものがジュニアNISAです。基本的な内容は同じなのですが、若干異なる点があるので、以下のポイントを理解しておきましょう。

その年1月1日時点で0歳から19歳の個人が利用可能

・非課税投資額(投資上限金額)は年間80万円まで

18歳までは払出しに制限がある(途中払出の場合、過去の利益に対して課税される)

3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで払出し制限

・口座の管理は親権者等が代理する

【つみたてNISA】

 2018年1月から、つみたてNISAがスタートしています。
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。以下のポイントをおさえておきましょう。

・その年1月1日時点で20歳以上の個人が利用可能

・非課税投資額(投資上限金額)は年間40万円まで

・非課税期間は最長20年間

・対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」

※一定の投資信託の分配金や譲渡益が非課税となる。

 その年1月1日時点で20歳以上の個人が、毎年40万円まで非課税で積立投資をすることができます。40万円×20年=最大800万円が非課税となります。

 なお、つみたてNISAと一般NISAは併用できません。どちらか一方を選択することになります。


 上記の内容を踏まえて、問題を見ていきましょう。


(選択肢1)不適切

ジュニアNISA口座の投資上限金額は、1人当たり年間80万円です。なお、一般NISA口座の投資上限金額は、1人当たり年間120万円です。

(選択肢2)不適切

ジュニアNISAでは、口座開設者が3月31日において18歳である年の前年の12月31日まで、払出しに関する制限があります。

(選択肢3)適切

つみたてNISA口座の購入限度額(非課税投資枠)は、1人当たり年間40万円です。

(選択肢4)不適切

つみたてNISA口座で公募株式投資信託を購入した場合、譲渡益や分配金は最長20年間非課税となります。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「3-6 金融商品と税金・セーフティーネット・関連法規」 NISA(少額投資非課税制度)


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