投資信託に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答:3
金融資産運用から、投資信託の分類に関する問題です。
2級FP試験(学科)では、投資信託の分類は定番問題といえます。投資信託については、さまざまな分類方法があり、何を対象にするかによって分類方法が異なります。
【投資対象による分類】
・公社債投資信託
公社債投資信託とは、公社債を中心に運用し、株式を一切組み入れることができない投資信託のことです。 国や会社が発行する債券である公社債や、譲渡性預金(CD)、コマーシャルペーパー(CP)等の短期金融商品を中心に運用します。
・株式投資信託
株式投資信託とは、株式を組み入れることができる投資信託のことをいいます。 組み入れ比率は様々で、たとえ、組み入れ比率がゼロでも、約款上、投資対象に株式が含まれている場合は、株式投資信託に分類されます。
【追加設定の有無による分類】
・単位型投資信託(ユニット)
単位型投資信託とは、新規に募集をかけた時にしか購入できない投資信託です。 一般的には設定後の一定期間は解約できない「クローズド期間」が設けられています。
・追加型投資信託(オープン)
追加型投資信託とは、新規設定後に、いつでも購入できる投資信託です。特徴として、予め償還期間を決めているものと無期限のものがあります。
【運用スタイルによる分類】
・アクティブ運用(アクティブ型投資信託)
アクティブ運用とは、日経平均やTOPIX等のようなベンチマークと呼ばれる指標を上回る運用を目標にしている運用スタイルです。
・パッシブ運用
パッシブ運用とは、ベンチマークの値動きに連動することを目的としている運用スタイルです。 代表的なものとして、インデックス運用があります。 パッシブ運用は、ベンチマークの値動きに連動することを目的としているため、たとえば日経平均株価に連動するパッシブ運用をするならば、日経平均の銘柄を全て買えば同じ値動きをする訳です。
上記のほかに、契約型(例:一般的な投資信託)と会社型(例:J-REIT)、公募(不特定多数の投資家を対象)と私募(特定または少数の投資家を対象)など、投資信託にはさまざまな分類方法があります。
問題を解く際には、各選択肢の文章をよく読んで判断するようにしましょう。
(選択肢1)適切
契約型投資信託では、委託者(運用会社)が投資家の資金を受託者(信託銀行)に信託し、受託者が運用します。この契約型投資信託では、運用会社と信託銀行との間で信託契約が結ばれ、信託受益権を受益証券として分割し、投資家が購入する仕組みとなっています。一方、会社型投資信託では、投資法人(投資を目的とする法人)が設立され、その投資法人が発行する投資口を投資家が購入する仕組みとなっています。なお、一般的な投資信託は契約型投資信託、J-REITは会社型投資信託に分類されます。
(選択肢2)適切
公募投資信託とは、不特定多数の投資家を対象に設定された投資信託です。一方、私募投資信託とは、機関投資家(金融機関や企業年金)など、特定または少数の投資家を対象に設定された投資信託です。
(選択肢3)不適切
追加(オープン)型投資信託は、投資信託の運用期間中いつでも購入できる投資信託です。一方、単位(ユニット)型投資信託は、当初の募集期間にのみ購入できる投資信託です。この選択肢では、追加型と単位型の説明が逆になっています。
(選択肢4)適切
アクティブ型投資信託は、目標となるベンチマーク(日経平均株価、東証株価指数など)を上回るパフォーマンス(運用成果)を目指す投資信託です。一方、パッシブ型投資信託は、目標となるベンチマークに連動するように設計された投資信託です。パッシブ型投資信託は、各種指数(インデックス)に連動することから、インデックス型投資信託といわれる場合もあります。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
スタディングは、いますぐ無料でお試しできます。
動画/音声講座、テキスト、スマート問題集、セレクト過去問題集、実技試験対策講座、要点まとめシート(暗記ツール)付き!
ガイダンス【FP3級試験の特徴と短期合格の秘訣】
ガイダンス【時間をかけずにFP2級に合格する勉強法】
【FP試験過去問分析‐詳細版(2級/3級)】
【実技試験の傾向と対策(日本FP協会・きんざい)】
【よく出る一問一答集60 FP2級・3級】
無料講座と無料セミナーを試してみる |