問題
債券の仕組みと特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 格付機関が行う債券の信用格付けで、「BBB(トリプルB)」格相当以上の債券は、一般に、投資適格債とされる。
- 日本国内において海外の発行体が発行する外国債券のうち、円建てで発行するものを「サムライ債」といい、外貨建てで発行するものを「ショーグン債」という。
- 日本銀行などの中央銀行が金融緩和策を強化すると、一般に、市場金利は低下し、債券価格も下落する。
- 個人向け国債は、基準金利がどれほど低下しても、0.05%(年率)の金利が下限とされている。
解答・解説
解答:3
金融資産運用から、債券の仕組みと特徴に関する問題です。
2級FP試験(学科)では、債券の基本的な仕組みや特徴について頻繁に問われています。
債券には、信用リスクを測る基準として格付け(信用格付け)があります。投資適格債と投資不適格債の区別については、これまでよく問われていますので、確実におさえておきましょう。また、債券価格と市場金利の関係についても把握しておく必要があります。債券価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が下落すると上昇します。このように、市場金利と債券価格は、逆の動きをします。
債券については、仕組みや特徴が問われますが、あくまでも上記のような基本的な内容に限られますので、今回の問題のような論点を理解しておくようにしましょう。
(選択肢1)適切
債券の信用格付けは格付機関によって行われます。格付けは、高い方から、AAA(トリプルA)、AA(ダブルA)、A(シングルA)、BBB(トリプルB)、BB(ダブルB)…といった順で付与されます。これらのうち、「BBB」以上の債券は、一般に投資適格債とされます。一方、「BB」以下の債券は、一般に投機的債券や投資不適格債とされます。
(選択肢2)適切
外国債券とは、債券の発行体、通貨、発行市場のうちいずれか一つでも外国のものをいいます。この外国債券のうち、外国法人が日本国内で発行する円建て債券を「サムライ債」といい、外国法人が日本国内で発行する外貨建て債券を「ショーグン債」といいます。
(選択肢3)不適切
債券価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が下落すると上昇します。日本銀行などの中央銀行が金融緩和策を強化した場合、民間の金融機関から国債等の購入量を増やし、市場への資金供給量を増加させることになります。そのため、市場における資金量が増加し、市場金利が低下する一方で、債券価格は上昇します。
(選択肢4)適切
個人向け国債は、3年・5年・10年もののいずれにおいても、年0.05%の最低金利(金利の下限)が設けられています。
この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
学習するには
「3-3 債券投資」 債券の仕組みと特徴