金融資産運用‐関連法規
2018年5月学科第30問

ピックアップ過去問解説

問題

 金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法といい、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法という。

  1. 金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。
  2. 犯罪収益移転防止法において、銀行等の特定事業者は、顧客と預金契約等の特定取引を行う際、顧客が代理人を通じて取引する場合には、顧客および代理人双方の本人確認が義務付けられている。
  3. 消費者契約法では、銀行等の事業者が重要事項について消費者の不利益となる事実を告げようとしたにもかかわらず、消費者がそれを拒み、契約の申込みをした場合、消費者は不利益事実の不告知を理由としてその契約を取り消すことができない。
  4. 金融商品販売法では、国内商品先物取引は適用の対象となる。

解答・解説

解答:4

金融資産運用から、関連法規に関する問題です。

2級FP試験(学科)では、金融商品取引法・金融商品販売法・消費者契約法などの関連法規が出題されています。

それぞれの法律の主な規定が問われていますので、大事な部分をピックアップして効率良く学習するようにしましょう。


(選択肢1)適切

金融商品取引法では、投資家保護の観点から、投資性のある金融商品(株式、債券、投資信託、デリバティブ取引など)を規制対象にしています。デリバティブ取引(金融派生商品)については、さまざまなものが対象となります。例えば、有価証券(株式・債券など)に関するデリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ(交換)取引、FX(外国為替証拠金取引)、天候デリバティブ取引なども対象となります。

(選択肢2)適切

犯罪収益移転防止法では、金融機関などの特定事業者に対して、顧客の本人確認を義務付けています。金融機関の窓口で10万円超の現金を振り込む場合や200万円超の現金・小切手の入出金をする場合などには、本人確認書類や取引目的を確認しなければなりません。また、顧客が代理人を通じて取引する場合には、顧客と代理人両者の本人確認をする必要があります。

(選択肢3)適切

消費者契約法では、銀行等の事業者が重要事項に関して消費者に不利益な事実を告知せず、誤認して契約を締結した場合、消費者はその契約を取り消すことができます。ただし、事業者が不利益な事実を告知しようとしたにもかかわらず、消費者がそれを拒んで契約の申込みをした場合には、消費者は不利益事実の不告知を理由としてその契約を取り消すことができません。

(選択肢4)不適切

国内の商品先物取引は、商品取引所法の規制対象で、金融商品取引法と同等の販売・勧誘ルールが課せられているため、金融商品販売法の対象とされていません。なお、海外の商品先物取引は金融商品販売法の対象ですが、ゴルフ会員権は対象外です。


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「3-6 金融商品と税金・セーフティーネット」 関連法規


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