金融資産運用-オプション取引
2018年1月学科第27問

ピックアップ過去問解説

問題

 オプション取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。


  1. コール・オプションは「原資産を売る権利」であり、プット・オプションは「原資産を買う権利」である。
  2. オプションの買い手の損失は無限定であるが、オプションの売り手の損失は、プレミアム(オプション料)に限定されている。
  3. コール・オプション、プット・オプションのいずれも、他の条件が同じであれば、満期までの期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は低くなる。
  4. オプションの取引形態には、金融商品取引所に上場されている上場オプション、相対で取引される店頭オプションがある。



解答・解説

解答:4

オプション取引に関する問題です。

オプション取引とは、取引する商品をあらかじめ定められた期日、または期間内に、あらかじめ定めた価格で「買う権利」または「売る権利」を売買する取引のことです。この「権利」のことをオプションといいます。

オプション取引では、常にオプションを買った方に、権利行使の選択権があります。選択権があるということは、権利を行使してもしなくてもよいということです。

一方、オプションを売った側は、オプションの買い手が権利を行使した場合、拒むことはできません。

また、オプションを買う側は、オプションの売り手に対してプレミアムというオプション料を支払います。

このことは、オプションの意味を身近に置き換えて考えると分かりやすいでしょう。

旅行でもオプションプランは、自分で選んで参加できますし、携帯電話のサービスもオプションプランは利用するかしないかを選ぶことができます。つまり、オプションとは選択する権利と考えてください。さらに、旅行のオプションも携帯電話のプランも、常に選択権を持っているのはオプションを買う方です。

そして、オプション取引でのオプションとは、あらかじめ定められた価格で売買するかしないかを選択できる権利と考えてください

これを踏まえて、問題を見ていきましょう。


(選択肢1)不適切

コールオプションは「買う権利」、プットオプションは「売る権利」です。問題の記述は説明が逆になっているので不適切です。

オプション取引には、このほかにも取引のポジションがあり、全体で4つのポジションに分けることができます。

コール・オプションプット・オプションそれぞれの「買い手」と「売り手」に分かれます。

つまり、コール・オプションの買い手と売り手、プット・オプションの買い手と売り手の4つのポジションがあるということです。

(選択肢2)不適切

オプション取引では、「買い手の損失」が支払ったプレミアムに限定され、「売り手の損失」は無限定となります。

オプションの買い手は、不利な状況の際にはオプションを行使しないという選択権を持っているため、仮に思った通りの結果にならなかった場合は権利を行使しなければ、損失は最初に支払ったプレミアムの分だけとなります。一方、売り手は買い手が権利行使をした場合必ず取引に応じなければならないので、損失は無限定となります。

(選択肢3)不適切

コール・オプションもプット・オプションも、残存期間が長いと時間的価値(権利行使の可能性)が高くなる(=買い手に有利)ので、プレミアムは高くなります

(選択肢4)適切

オプション取引には、金融商品取引所に上場されている上場オプションと、投資家と業者等が当事者同士で取引条件を決めて相対で取引する店頭オプションがあります。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


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