金融資産運用-株式の投資指標
2017年5月学科第25問

ピックアップ過去問解説

問題

株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. PERは、株価が1株当たり当期純利益の何倍であるかを示す投資指標である。
  2. PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍であるかを示す投資指標である。
  3. ROEは、自己資本に対する当期純利益の割合を示す投資指標である。
  4. 配当性向は、株価に対する年間配当金の割合を示す投資指標である。



解答・解説

解答:4

株式投資から、株式の投資指標に関する問題です。

株式投資の銘柄選択のときには、選択の基準が必要になります。「よく知っている」とか「その会社の商品が好き」ということも大切な基準ですが、その株式の収益性や安全性など、投資判断としての指標も大切です。

株式の投資指標は、様々な投資尺度に照らして、数値で検討できるものです。株式の投資指標にはいくつも種類がありますが、全てを利用する必要はありませんが、複数の指標を使って、比較検討することが一般的です。

FP試験では、その中でも特によく用いられる指標の基本知識が問われます。

これを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。


1)適切

PER(Price Earnings Ratioは、株価収益率のことで、株価が1株当たりの利益の何倍になっているかを示す指標です。一般的には、株価収益率が高ければ株価は割高で、低ければ割安と判断することができます。ただし、株価収益率の水準は多様で、何倍ならば妥当という基準がありません。同業他社との比較や過去の推移を見ながら相対的に判断するための指標といえるでしょう。

PER(倍)=株価 ÷ 1株当たりの当期純利益

※ 1株当たりの当期純利益=当期純利益 ÷ 発行済株式数

2)適切

PBR(Price Book-value Ratioは、株価純資産倍率のことで、株価が1株当たりの純資産の何倍になっているかを示す指標です。企業の資産価値から株価水準を判断するときに用います。一般的には、株価純資産倍率は、1倍という数値が評価基準になります。1倍を下回った場合は、実際の資産よりも株式の評価が低いということになります。

PBR(倍)=株価 ÷ 1株当たりの純資産

※1株当たりの純資産=純資産 ÷ 発行済株式数

3)適切

ROE(Return On Equity)は、自己資本利益率のことで、自己資本を利用してどれだけの利益を上げてきたかを示す指標です。自己資本利益率が高いということは、株主から出資された資金を活用して効率よく利益を上げていると判断できます。収益性が高く、投資対象としての価値も高いと言えます。

ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

4)不適切

配当性向は、税引後利益のうち配当に振り向けた割合を示したものです。「株価」に対する割合ではありませんので不適切です。

配当性向(%)=1株当たりの配当金 ÷ 1株当たりの純利益 × 100


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。

学習するには

「3‐4 株式投資」 株式の投資指標


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