金融資産運用-関連法規
2016年9月学科第30問

ピックアップ過去問解説

問題

 金融商品の販売等に関する法律(以下「金融商品販売法」という)および消費者契約法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 金地金の販売に係る契約の締結は、金融商品販売法上の「金融商品の販売」に該当する。
  2. 顧客(特定顧客を除く)が金融商品販売業者等に対して、金融商品販売法に基づき、重要事項の説明義務違反による損害の賠償を請求する場合、その損害額については、当該顧客が立証しなければならない。
  3. 事業のために契約の当事者となる個人(個人事業主)は、消費者契約法上「消費者」に該当する。
  4. 事業者が消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がその内容を事実と誤認して消費者契約の申込みを行った場合、消費者は、消費者契約法に基づき、当該申込みを取り消すことができる。

解答・解説

解答:1

金融資産運用に関する法律の問題です。

特に、出題頻度が非常に高いのは、「金融商品販売法」と「消費者契約法」です。

金融商品販売法は、金融商品販売業者が、金融商品の販売等に関して、顧客へ重要事項の説明義務を怠ることや、断定的判断の提供などを禁止しています。
また、金融商品販売業者に対して、「勧誘方法の適正」を確保することを要請し、一定の勧誘方針の策定・公表を義務付けています。
もし、説明義務違反や禁止規定違反があった場合は、販売業者は元本欠損部分について損害賠償責任を負う旨が定められています。
金融商品販売法の対象となる商品の主なものとして、預貯金、信託商品、保険、有価証券、デリバティブ取引、外国為替証拠金取引等があります。


消費者契約法は、金融商品販売業者の行為により、契約者が誤認、または困惑した場合に、契約の申し込みや承認を取り消すことができます。
  • 誤認にあたる行為 : 「重要事項の不実告知」「断定的な判断の提供」「不利益事実の不告知」等があります。
  • 困惑させる行為 : 「消費者の住居からの不退去」や「勧誘場所から消費者を退去させない」等があります。

このような事が金融商品の販売を通じて行われたら、金融商品販売法と消費者契約法の両方が適用される場合があります。試験でも、金融商品販売法と消費者契約法の説明を入れ替える問題も出題されたこともあるので、違いをしっかり覚えておきましょう。


これを踏まえて、選択肢を見ていきましょう。


1)不適切

 金融商品販売法では、金地金の販売に係る契約は対象外です。その他にも商品先物取引などが対象外です。
 金融商品販売法では、預貯金、信託商品、保険、有価証券、デリバティブ取引、外国為替証拠金取引等が主な対象となります。

2)不適切

 顧客側に立証責任があるのは、業者が説明義務に違反したことについてです。損害額については、元本欠損相当額とされていますので、おのずと明確になります。

3)不適切

 消費者契約法で保護されるのは、事業契約者でない個人です。したがって、事業のために契約の当事者となる個人(個人事業主)は、保護の対象外ということになります。

4)適切

 「重要事項の不実告知」「断定的な判断の提供」「不利益事実の不告知」等により、消費者が「誤認」して契約した場合は、その契約を取り消すことができます。また、「消費者の住居からの不退去」や「勧誘場所から消費者を退去させない」等による「困惑」させる行為があった場合も同様に取り消すことができます。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。



学習するには

「3-6 金融商品と税金・セーフティーネット・関連法規」 関連法規


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