リスク管理-法人契約の生命保険の経理処理
2020年1月学科第14問

ピックアップ過去問解説

問題

契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人が法人、被保険者が特定の役員である終身保険(無配当保険)の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。

  1. 法人が支払った保険料は、2分の1の金額を保険料積立金として資産に計上し、残りの2分の1の金額を給与として損金の額に算入することができる。
  2. 法人が解約返戻金を受け取った場合、資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
  3. 法人が死亡保険金を受け取った場合、資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
  4. 被保険者である役員の退職に当たり、契約者(=保険料負担者)を役員、死亡保険金受取人を役員の配偶者に名義変更し、退職金の一部として現物支給した場合、その時点での解約返戻金相当額と資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。

解答・解説

解答:1

リスク管理から、法人契約の生命保険契約の経理処理に関する問題です。

2級FP試験(学科)では、法人契約の保険の経理処理が毎回のように出題されています。法人契約の生命保険契約または損害保険契約の経理処理、またはその両方の経理処理が出題される場合があります。

法人契約の生命保険契約については、契約形態ごとに、支払った保険料の経理処理と受け取った保険金等の経理処理に分けて確実におさえ、得点源にしましょう。


(選択肢1)不適切

法人契約の終身保険では、死亡保険金受取人が法人の場合、最終的に法人が保険金等を受け取ることになるため、支払った保険料の全額を資産に計上します。

(選択肢2)適切

法人契約の終身保険の解約返戻金を受け取った場合、それまでに資産に計上していた保険料積立金を取り崩し、受け取った解約返戻金と保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。

(選択肢3)適切

法人契約の終身保険において、法人が死亡保険金を受け取った場合、それまでに資産に計上していた保険料積立金を取り崩し、受け取った死亡保険金と保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。

(選択肢4)適切

法人契約の終身保険につき、被保険者である役員の退職時に、受取人を役員本人や役員の配偶者等に名義変更し、退職金の一部として現物支給することができます。この場合、それまでに資産に計上していた保険料積立金を取り崩し、受け取った解約返戻金と保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「2‐3 生命保険と税金」 法人の生命保険税務


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