リスク管理-生命保険料控除
2020年1月学科第13問

ピックアップ過去問解説

問題

生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 終身保険の保険料の払込みがないために自動振替貸付となった場合、それによって立て替えられた金額は、生命保険料控除の対象とならない。
  2. 2011年12月31日以前に締結した医療保険契約を2012年1月1日以後に更新した場合、更新後の保険料は介護医療保険料控除の対象とならず、一般の生命保険料控除の対象となる。
  3. 2012年1月1日以後に締結した生命保険契約に付加された傷害特約の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
  4. 変額個人年金保険の保険料は、個人年金保険料控除の対象とならず、一般の生命保険料控除の対象となる。

解答・解説

解答:4

リスク管理から、生命保険料控除に関する問題です。

生命保険料控除とは、毎年1月1日から12月31日までに支払う生命保険料の額に応じて、一定の額がその年の所得から控除される制度です。

特に、2012年(平成24年)1月1日以後に締結した生命保険契約について、3種類の主な控除要件をおさえておきましょう。


控除要件

1.一般の生命保険料控除:保険受取人が契約者、配偶者、その他の親族であること。

2.個人年金保険料控除:以下の条件を満たすこと。

(1)年金受取人が保険契約者またはその配偶者のいずれかであること。

(2)年金受取人が被保険者と同一であること。

(3)保険料払込期間が10年以上あること。(一時払いは除く→一般の生命保険料控除)

(4)年金種類が確定年金・有期年金である場合は、年金支払いが開始される時点で被保険者が60歳以上で年金の支払い期間が10年以上あること。(終身年金の場合は年齢要件がない)

※変額個人年金保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となります。

3.介護医療保険料控除 :入院・通院等にともなう給付部分に係る保険料。

※介護保険・医療保険の保険料は、他の要件を満たす場合、介護保険料控除の対象となります。


【生命保険料控除額(2012年(平成24年)1月1日以後)】



(選択肢1)不適切

生命保険料の払込みがなく、自動振替貸付となった場合でも、立て替えられて支払われた生命保険料は、生命保険料控除の対象となります。

(選択肢2)不適切

2011年(平成23年)12月31日以前に締結した生命保険であっても、2012年(平成24年)1月1日以後に更新・転換等を行うと、それ以降は新制度が適用されます。そのため、旧契約の医療保険契約を2012年(平成24年)1月1日以後に更新した場合、更新後の保険料は介護医療保険料控除の対象となります。

(選択肢3)不適切

2012年(平成24年)1月1日以後に締結した保険の場合、傷害特約などの身体の傷害のみに基因して保険金が支払われる特約は、生命保険料控除の対象外です。傷害特約の保険料は、旧制度では一般の生命保険料控除の対象でしたが、新制度では対象外となります。

(選択肢4)適切

変額個人年金保険の保険料、個人年金保険料控除の対象ではなく、一般の生命保険料控除の対象となります。


この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢4が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「2‐3 生命保険と税金」 生命保険料と控除


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