損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
解答:3
リスク管理から、 損害保険による事業活動のリスク管理に関する問題です。
事業活動のリスク管理については、生命保険を利用するパターンと、損害保険を利用するパターンがあります。
今回の損害保険による事業活動のリスク管理については、特に以下の保険の概要をおさえておきましょう。
<損害保険による事業活動のリスク管理>
利用される損害保険は、主に以下のような保険です。
・生産物賠償責任保険(PL保険)
生産物賠償責任保険は、通称、PL保険と呼ばれ、製造・販売した製品に欠陥があって、他人の身体や財物に損害を与え、損害賠償責任が生じた場合の、損害賠償金額を補償します。 例えば、レストランで提供した料理で食中毒を起こした場合や、ガスストーブの欠陥でガス中毒を起こしたなどといった場合、その賠償金額を補償します。
・普通傷害保険
普通傷害保険は、国内外を問わず、日常生活で起こる、事故によるケガを補償する保険です。 「国内外を問わず」、ですから海外旅行中に階段から足を踏み外してケガをした場合でも、保険金が支払われます。 ただし、細菌性食中毒は、補償されません。また、病気は対象外です
・施設所有(管理)者賠償責任保険
施設所有(管理)者賠償責任保険は、店舗や工場など、さまざまな施設を所有・使用・管理している際に、施設の不備による偶然な事故によって、他人の財物や身体に損害を与え、賠償責任を負った場合に、保険金が支払われます。 例えば、店舗内で、客が足を滑らせて転倒しケガをしたという場合、そのケガの治療費などを補償するものです。
・機械保険
機械保険は、作業や設計のミス等の事故で、事業用建物内の機械設備に生じる損害を補償します。ただし、火災事故は補償されません。
上記の保険については、商品の概要をおさえておくと、スムーズに解答することができます。それでは、各選択肢を見ていきましょう。
(選択肢1)不適切
機械保険は、作業や設計のミス等の事故により、事業用建物内の機械装置に生じる損害を補償する保険です。ただし、火災事故は機械保険では補償されないため、製造業を営む事業者が、工場の機械が火災により滅失するリスクに備える場合、火災保険を契約する必要があります。
(選択肢2)不適切
生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した製品に欠陥があり、他人の身体や財物に損害を与え、損害賠償責任が生じた場合の損害を補償する保険です。食中毒が発生した場合、被害者の治療費や慰謝料の支払いによる損害は補償されますが、休業による売上の減少に対する備えにはなりません。飲食店を営む事業者が、食中毒による休業により売上が減少するリスクに備える場合、店舗休業保険を契約する必要があります。
(選択肢3)適切
普通傷害保険は、国内外を問わず、旅行中を含む日常生活の事故によるケガを補償する保険です。設備工事業を営む事業者が、役員・従業員の業務中のケガによるリスクに備える場合、普通傷害保険を契約するのは適切です。
(選択肢4)不適切
施設所有(管理)者賠償責任保険は、店舗や工場など、さまざまな施設を所有・使用・管理している際に、施設の不備による偶然な事故によって、他人の財物や身体に損害を与えた場合の損害賠償責任を補償する保険です。ただし、請負業務中に財物を壊してしまう場合の備えにはなりません。建設業を営む事業者が、注文住宅の新築工事中に誤って隣家の財物を壊してしまうリスクに備える場合、請負業者賠償責任保険を契約する必要があります。
この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢3が正解となります。
※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。
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