ライフプランニング‐各種係数
2019年9月学科第2問

ピックアップ過去問解説

問題

ライフプランの作成の際に活用される各種係数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.一定の利率で複利運用しながら一定期間、毎年一定金額を受け取るために必要な元本を試算する際、毎年受け取りたい金額に乗じる係数は、資本回収係数である。

2.一定の利率で複利運用しながら一定期間、毎年一定金額を積み立てた場合の一定期間後の元利合計額を試算する際、毎年の積立額に乗じる係数は、年金終価係数である。

3.一定の利率で複利運用しながら一定期間後に目標とする額を得るために必要な毎年の積立額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、減債基金係数である。

4.一定の利率で複利運用しながら一定期間後の元利合計額を試算する際、現在保有する資金の額に乗じる係数は、終価係数である。


解答・解説

解答:1

ライフプランニングと資金計画から、各種係数に関する問題です。

ライフプラン作成の際に、6つの係数が活用されます。6つの係数の名称と特徴を結び付けて覚えておきましょう。


6つの係数>

1.終価係数

 終価係数は、現在の額から将来(終わりの時点)の額を求める時に使う係数です。

 今100万円あるとします、「これを一定の金利で銀行等に預け入れておいた場合、10年後いくらになるか?」という時に使います。

 キャッシュフロー表作成で出てきた「将来価値」を計算する時にも使います。

  将来の元利合計額=現在の元本の額×終価係数

2.現価係数

 現価係数は、将来の目標額から現在必要な額を求める時に使う係数です。

 10年後に100万円が欲しい場合、「今いくら預け入れしておけば、10年後に100万円になるか?」という時に使います。

  現在の元本の額=将来の目標額×現価係数

3.減債基金係数

 減債基金係数は、将来の目標額を貯めるために必要な、毎年の積立額を求める時に使う係数です。

 「10年後に100万円が欲しい。そのために毎年いくらずつ貯めたらいいか?」という時に使います。

  毎年の積立額=目標額×減債基金係数

4.資本回収係数

 資本回収係数は、一定の元本を複利運用しながら、毎年一定額の年金を取り崩す場合に、毎年の年金額を求める場合に使用します。

 また、借入額に対する利息を含めた毎年の返済額を求める時にも、この係数を使用します。

 具体的には、「現在手元にある100万円を2%で複利運用した場合、10年で使い切るには毎年いくらずつ使えるか?」という時に使います。

 また、「100万円を借りたけど、10年で返すには毎年いくらずつ支払えばいいのだろう?」という時に使います。

  毎年の年金額(取崩額)=元本の額×資本回収係数

5.年金終価係数

 年金終価係数は、毎年の積立額から将来の積立合計額(積立後の元利合計額)を求める時に使う係数です。

 「毎年100万円ずつ積み立てたら、10年後はいくらになっているか?」という時に使います。

  積立後の元利合計額=毎年の積立額×年金終価係数

6.年金現価係数

 年金現価係数は、希望する年金を一定期間受け取るために必要な元本を求める時に使う係数です。

 「毎年100万円ずつ10年間年金が欲しい場合、今必要な元本はいくらだろう?」という時に使います。

  元本の額=毎年の年金額×年金現価係数


 ライフプラン作成時の各種係数については、上記の概要をおさえておけば、スムーズに解答することができます。それでは、各選択肢を見ていきましょう。


(選択肢1)不適切

一定の利率で複利運用しながら、一定期間、毎年一定金額を受け取るために必要な元本を計算する場合、毎年の受取額に乗じる係数は、年金現価係数です。

 元本の額=毎年の受取額(年金額)×年金現価係数

なお、元本を一定の利率で複利運用しながら、毎年一定額を取り崩し、受け取れる額を計算する場合、元本の額に乗じる係数は、資本回収係数です。

 毎年受け取れる年金額(取崩額)=元本の額×資本回収係数

(選択肢2)適切

一定の利率で複利運用しながら、一定期間、毎年一定金額を積み立てた場合の元利合計額を計算する場合、毎年の積立額に乗じる係数は、年金終価係数です。

 積立後の元利合計額=毎年の積立額×年金終価係数

(選択肢3)適切

一定の利率で複利運用しながら、一定期間後に目標とする額を得るために必要な毎年の積立額を計算する場合、目標額に乗じる係数は、減債基金係数です。

 毎年の積立額=目標額×減債基金係数

(選択肢4)適切

一定の利率で複利運用しながら、一定期間後の元利合計額を計算する場合、現在の元本の額に乗じる係数は、終価係数です。

 将来の元利合計額=元本の額×終価係数


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「1‐2 ライフプランニングの手法」 6つの係数


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