ライフプランニング‐ライフステージ別の資金運用
2019年1月学科第2問

ピックアップ過去問解説

問題

ライフプランニングにおけるライフステージ別の一般的な資金の活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.Aさん(22歳)は、将来のために、受け取った初任給に銀行からの借入金を加えた資金を元手として、高い収益が見込める金融商品による積極的な運用を図ることにした。

2.Bさん(30歳)は、将来のために、NISA(少額投資非課税制度)を利用して余裕資金を運用することにした。

3.Cさん(40歳)は、マイホーム購入を念頭に貯蓄を続けてきたが、預貯金の残高が増えてきたので、その一部を頭金として、住宅ローンを利用し、新築マンションを取得することにした。

4.Dさん(63歳)は、勤務先を退職後、収入が公的年金のみとなる見込みなので、資産運用についてはリスクを避け、元本が確保された金融商品を中心とした安定的な運用を図ることにした。


解答・解説

解答:1

ライフプランニングから、ライフステージ別の資金運用に関する問題です。

このテーマでは、ライフステージごとの一般的な考え方が問われるため、個別的なことは考えすぎずに、定番の考え方を理解しておきましょう。

ライフステージとは、生まれてから、進学、就職、結婚、出産、子育て、老後など、人生の節目によって変わる生活条件の区分です。
ライフステージごとに、お金の貯め方や加入する保険などの選択肢に違いが生じます。また、自分自身の経済状況や世の中の環境に応じて、ライフステージごとにリスク許容度を考慮する必要があります。

例えば、高齢者の方が、値動きの激しい株式のようなハイリスク商品で資金を運用するのは一般的には良い方法とはいえません。なぜなら、その方の資産運用がうまくいかなかった場合、その後、取り返す時間が多く残されているわけではないからです。
また、子育て時期である家族の資産が、現金化しづらい不動産ばかりだった場合、教育資金や医療費等が必要になっても、すぐに現金にできなくて困ってしまうでしょう。

このような一般的な考え方を押さえた上で、順番に選択肢を見ていきましょう。


(選択肢1)不適切

Aさん(22歳)は、20代前半の独身期にあり、今後の長期的な収入と資産運用が見込まれます。そのため、比較的リスク許容度が高いため、余裕資金で資産運用する分には問題ありません。ただし、この選択肢のように、借入金を活用した積極的な資産運用については、さまざまな投資経験を積んだうえで実施すべきです。初任給を受け取っているAさんには、余裕資金や運用経験が豊富にあるとはいえないため、ハイリスクな金融商品による積極的な運用は適切とはいえません。

(選択肢2)適切

Bさん(30歳)は、20代後半~30代前半の家族形成期にあり、現在ある資金を将来のために運用することが可能です。比較的リスク許容度が高い時期にあるため、NISA(少額投資非課税制度)を利用して余裕資金で運用することは問題ありません。

(選択肢3)適切

Cさん(40歳)は、30代前半~40代前半の家族成長期にあり、住宅取得の時期になることが多く、頭金を貯めておくなどの住宅資金計画を立てることが必要となります。マイホーム購入資金が増え、十分な頭金を用意することができる場合、住宅ローンを利用して、新築マンションを取得することは問題ありません。

(選択肢4)適切

Dさん(63歳)は、60歳以降のいわゆる老後にあり、安全性を確保した資産運用が必要となります。勤務先を退職後、収入が公的年金のみとなる見込みのため、リスクを避け、元本が確保された金融商品を中心とした安定的な運用を図ることは適切といえます。


この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


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