ライフプランニングと資金計画-国民年金
2017年1月学科第5問

ピックアップ過去問解説

問題

 国民年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者、農林漁業者、学生、無職の者などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。
  2. 日本国籍を有するが日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者は、第2号被保険者および第3号被保険者のいずれにも該当しない場合、原則として、国民年金の任意加入被保険者となることができる。
  3. 第1号被保険者で障害基礎年金を受給している者や生活保護法による生活扶助を受けている者は、国民年金保険料の法定免除の対象となる。
  4. 国民年金保険料の申請免除には、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除があり、それぞれに適用の対象となる所得の基準が設けられている。



解答・解説

解答:1

公的年金の中から、国民年金について被保険者区分と保険料の免除に関して問われています。

◆被保険者区分

 20歳以上60歳未満で日本国内に住所のある人は、すべて公的年金の強制加入者です

 この強制加入被保険者は、加入する制度の違いにより、第1号から第3号被保険者の3つに区分されています。

 また、強制加入者以外の被保険者として、任意加入被保険者というものがあります。

第1号被保険者 日本国内に住所がある20歳以上60歳未満で、つぎの第2号、第3号被保険者に該当しない者。
具体的には、自営業者、農業者、無職の人、学生など。
日本国籍の有無は問わない。
第2号被保険者 被用者年金である厚生年金の加入者。
厚生年金は会社員や公務員が加入する年金。
第1号被保険者と違い、年齢や国内居住要件はない。
第3号被保険者 第2号被保険者に扶養されている配偶者(配偶者自身の年収が130万円未満であること)で、20歳以上60歳未満の者。
主に専業主婦(夫)の人です。
国内居住要件なし。


◆保険料の免除・納付猶予制度

 公的年金は強制加入ですが、保険料がどうしても払えない人はどうなるでしょう?

 社会情勢や景気の動向により失業したり、収入が激減して生活が苦しくなり、保険料を納めることができなることもあります。そのために、国民年金では免除制度や猶予制度を設けています。

 免除の種類には、「法定免除」と「申請免除」があります。申請免除には「一部納付(多段階免除)」、「学生の納付特例制度」、「納付猶予制度」などがあります。

ここまでを押さえた上で、順番に選択肢を見ていきましょう。


1)不適切
 国民年金の第1号被保険者は、「日本国内に住所がある20歳以上60歳未満である自営業者、農林漁業者、学生、無職の者など」であれば国籍に関係なく加入の義務があります。第2号被保険者と第3号被保険者に該当する者は除かれます。

2)適切

 任意加入被保険者とは、強制加入対象外である者が、年金受給要件を満たすためなどの目的で本人の意思で加入する制度です。
 以下の条件にあてはまる場合に任意加入被保険者となれます。

  • 年金が満額にならない人が年金額を増やしたい場合(60歳から65歳までの間)
  • 受給資格期間を満たしていない人(70歳まで:条件あり)
  • 日本国内に住所のない20歳以上65歳未満の日本国籍を有しているもの
3)適切

 生活保護法による生活扶助を受けている人や障害年金(3級を除く)を受けているときに、届け出を行うことで保険料の全額が免除となります。
 この制度を「法定免除」といいます。

4)適切

 「申請免除」とは、申請して承認を受けたら保険料が免除されます。

 この制度には、「全額免除」、「4分の3免除」、「半額免除」、「4分の1免除」の4段階があり、それぞれ所得審査があります。



この問題は「不適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。

※正解と解説は、試験実施日の基準で記述しています。その後の法令改正等には対応していませんのでご注意ください。


学習するには

「1‐5 公的年金(公的年金制度)」 公的年金制度の概要


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