問題
ファイナンシャル・プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も適切なものはどれか。
- 税理士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、給与所得者である顧客に対し、確定申告をする必要がある場合の要件について一般的な説明を行った。
- 社会保険労務士資格を有しないファイナンシャル・プランナーが、顧客から老齢基礎年金の繰上げ請求の相談を受け、有償で老齢基礎年金の繰上げ請求書等を作成し、請求手続きを代行した。
- 生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、子どもが生まれたばかりの顧客から相談を受け、生命保険の死亡保障の重要性を説明し、保険募集を行った。
- 宅地建物取引業者ではないファイナンシャル・プランナーが、土地の売却を検討している顧客から相談を受け、顧客の代理人となって業として当該土地の売買契約を締結した。
解答・解説
解答:1
FPの役割から、FPと関連法規に関する問題です。
FPの業務が「包括的なサービス」という特徴から、他の専門分野に関わるケースが生じますが、投資助言、保険業、税理士業、弁護士業など隣接する専門領域の法令等に違反しないよう、特に注意する必要があります。
このテーマの最大のポイントは、税理士業や弁護士業など他の専門分野に関して、次のことに着目して判断することです。
- 「有償無償は問わない」
例えば、個別具体的な税務相談については、有償・無償を問わず、税理士資格を有していない者は行うことができない。 - 「具体的・個別の相談」か「一般的・仮定に基づいたものか」
例え税金のことでも、一般的な解説や制度の説明は、税理士資格を有していなくてもできるが、その顧客の個別の相談やアドバイスは税理士資格を有していなければ行えない。
以上のことを理解していれば、今回の問題には対応できます。
ここまでを押さえた上で、順番に選択肢を見ていきましょう。
1)適切
「一般的な説明」は税理士資格を有していないFPが説明しても問題ありません。
2)不適切
年金の繰上げ請求書の作成や手続きの代行は、社会保険労務士や弁護士でない者は行ってはいけません。
これは、個別具体的な業務であり、たとえ無償であっても不可です。
3)不適切
生命保険の死亡保障の重要性の説明まではFPが行えますが、保険募集は、募集人の登録を受けていない者は行ってはいけません。
4)不適切
顧客の代理人となって業として当該土地の売買契約を締結することは、免許を受けた宅地建物取引業者でなくてはなりません。
この問題は「適切」なものを選ぶ問題なので、選択肢1が正解となります。
学習するには 「1‐1 FPとライフプランニング」 FPの役割