課題は現状分析ではありません

課題を挙げよとあると、多くの方が現状の分析を書きます。確かに現状の分析をしなければ課題は見つかりません。それはその通りです。
しかし、課題は、こうあるべきと言う理想と、現状を分析した結果のギャップです。

2018/05/10

課題は現状分析ではありません

Ⅱ-2やⅢの問題では「課題を挙げよ」とか「多様な視点から課題を挙げよ」と言う問題文が多くあります。

私が多くの受講者さんの解答を読んで最も勘違いが多いのがこの課題と、以前に話した留意点です。
課題を挙げよとあると、多くの方が現状の分析を書きます。

確かに現状の分析をしなければ課題は見つかりません。それはその通りです。
しかし、課題は、こうあるべきと言う理想と、現状を分析した結果のギャップです。
理想型に至るまでにどれだけ上らなければならないか、その差が課題です。

ですから、現状分析した結果だけを書いても、それは課題になりません。
この状態で課題を解決するための技術的提案をしたところで、それは活きてこないのです。
特にⅢの問題では課題をどう書くかが重要です。

技術士会ではこのような定義も公開しています。


概念
社会的なニーズや技術の進歩に伴い,最近注目されている変化や
新たに直面する可能性のある課題に対する認識を持っており,
多様な視点から検討を行い,論理的かつ合理的に解決策を策定できる能力

試験内容
「選択科目」に係わる社会的な変化・技術に関係する最新の状況や
「選択科目」に共通する普遍的な問題を対象とし,これに対する課題等の抽出を行わせ,
多様な視点からの分析によって実現可能な解決策の提示が行えるか等を問う内容とする。

「文部科学省 第7期 技術士分科会 資料3」より引用


要するに社会や技術の変化を認識しており、技術だけに拘らず多様な視点から分析・検討ができる能力を求められます。
また、その検討結果から論理的かつ合理的に解決策を策定できる能力が必要とされています。

そして、受験する皆さんが持っているこの能力を文章で表現することが最も難しいところだと思って下さい。
日本の一流エンジニアならこの能力は持っているはずです。

ただ、それを文章で表現できないのです。


匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール

1962年生まれ。北海道函館市出身。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。

次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。

匠習作技術士事務所代表技術士
プロフェッショナルエンジニア養成コンサルタント、医療機器業界転進コンサルタント、医工コーディネーター日本技術士会会員・日本機械学会会員・失敗学会会員、人工知能学会会員、日本医工ものづくりコモンズ会員、日本シャーロックホームズクラブ会員、放送大学大学院在学中

『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。