2018/04/12
1枚の解答用紙600文字は、なるべく3~4のパラグラフの構成にして下さい。
改行なしでびっしり書かれた解答では読む気になりません。
試験委員は、沢山の解答用紙を読んで疲れています。
文章の分かりやすさだけではなく、解答用紙の読みやすさにも注意すべきです。
問題によっては、単純な問題で項目を立てにくい設問になっている場合もあります。
その場合は、自分で構成を考えて項目を作って下さい。
技術士試験で最も重要なことは試験委員に伝わる、分りやすい解答を作成することです。
試験勉強はまさにそのための練習です。
解答用紙1枚の問題に慣れてきたら、次は2枚で解答する問題、3枚で解答する問題へと進んで下さい。
平成25年度に試験方法が変更になってから全ての部門で問題の構成が同じになりました。
1枚解答問題2問(4問から2問選択)、2枚解答問題1問(2問から1問選択)、3枚解答問題1問(2問から1問選択)の合計7枚という問題構成になっています。
技術士試験は、頻繁に内容が変更されますが、この問題構成は当分変わらないと思います。
平成21年度技術士第二次試験問題〔機械部門〕
選択科目[1-7]加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械 (1時30分~5時)
I 次の2問題(I-1, I-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて、それぞれ2枚半以上3枚以内にまとめよ。)
途中略
I-2 次の3設問のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記すること。)
I-2-1 次の文章を読み,下記の問いに解答せよ。
ある物質を小さな塊に分割していって、μm、 nmの単位になるとそれまでに現れなかった新たな特性が表れてくる。実際、微細加工や超精密加工において、機械部品の物理的性質や機械的性質などは、部品の形状寸法が小さくなるにしたがって見掛け上変化する。たとえば、長さaの片持ち梁の先端に荷重Wの立方体(一辺の長さb<a)を載せた場合、梁に生じる最大引張応力は6wab-3と近似できるので、このとき、立方体と梁の寸法を相似的に10分の1倍にすると、最大引張応力も6wab-3の10分の1倍となる。
しかしながら、立方体の荷重はb3に比例するため1000分の1に激減している。このため、梁は立方体に対して一見、非常に硬いバネに変わったようにみえる。
(1)微細加工法や超精密加工法について、知るところを簡単に記せ。
(2)見かけ上の変化あるいは実質的な変化に関わりなく、上述のような例をあなたの専門領域で1つ挙げ、その例を支配する、上述の例では(最大引張応力)=6Wab-3と(立方体の体積) = b 3 (b3乗)に相当する式あるいは原理法則を記載するとともに、なぜ、その現象を取り上げたのかについて分かりやすく説明せよ。
著者註:(-3とあるのは、-3乗)
忘れもしません。上の問題は、平成23年に私が技術士講座に参加して、最初に出題された問題です。
ことときは平成19年~22年の過去問題が中心で、時々オリジナル問題が練習用に出題されていました。
今の私は、「こう書けばいいかな」とすぐ頭に浮かびます。
しかし、当時の私には、全く分かりませんでした。
足がかりというか、最初の一歩をどう踏み出すかが分からなかったのです。
技術士の論文試験対策の本は何冊か出版されています。
そういった本ももちろん有効ですが、当時の私のように、
論文の書き方が分かっていない人には「論理的に分かりやすく書く」と言われても、どうすれば良いのか分かりません。
ですから、私は、「そんなことは分かっているけど、どうすれば論理的に分かりやすく書けるようになるんだよ」と、
つい呪いの言葉が頭に浮かんでしまいまし(今は、反省しています)。
そこで、私は論文の書き方そのものから勉強しようと考えました。
「論文の書き方」に関する本は、技術士試験の対策本より遙かに多く出版されています。
私は、池袋の大型書店で立ち読みしながら20冊以上の本を一度に購入しました。
埼玉に住む私はふだん通販で本を購入します。
しかし、通販では本の中身を確認できません。
ですから、この時は自分の目で確認しようと思い、書店に行って本を「かごに入れる」作業を行いました。
加えて、通信教育の添削も受講しました。
やはり、初心者のうちは、誰かに添削してもらった方が良いと思います。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。