2018/02/08
あなたが解答を記述した答案用紙は、試験委員によって採点されます。
その時、試験委員が目にする答案は原紙ではなく、あなたが書いた答案のコピーです。
HB以上の硬い芯を使用して0.5ミリの芯で記入した解答用紙に書かれた文字では、コピーをすると薄くなる可能性が高いのです。
また、失礼なことを言うつもりはないのですが、
試験委員はたいていの場合ご高齢で、視力は若い人より落ちています。
読みにくい薄い文字では、しっかり読んで貰えない可能性もあります。
あるいは、読んで貰えたとしても、同じような内容の解答が多いのですから、相対評価が下がるかもしれません。
少しでもマイナスになる要素は事前に排除すべきです。
優れたエンジニアなら、ふだんの業務で必ずそうしているはずです。
多大なコストが発生するわけではりません。
高々数千円の出費です。
それで読みやすい解答が書けるなら、ぜひそうしましょう。
加えて、硬い芯のシャープペンでは、どうしても強い力で書く必要があります。
当然、腕も指も早く疲れます。
指先が疲れると、思考力も弱まります。
さらに、解答を書き上げてから、それを問題用紙にある程度でも書き写そうとした時、
疲れから「もういい、頭で覚えているから大丈夫」と諦めてしまうことになります。
しっかり記憶していて、家に帰ってから解答を再現できれば良いのですが、なかなかできるものではありません。
緊張感の中で頭をフル回転させながら記述した解答は、緊張感が解けると頭の中からすっと消えていきます。
口答試験の時に、必ず筆記試験の内容を質問される訳ではありません(私の場合は、質問されましたが質問されない人も多くいます)。
しかし、用意しておけば、口答試験の時に無用な緊張感から解放されます。
筆記試験の内容をすっかり忘れて「もし質問されたらどうしよう」と悩んでいるより、自分の力で準備できることは全部おこないましょう。
さて、シャープペンシルですが、私はパイロット鉛筆の「S10」という製図用のシャープペンシルを5本用意しました。
このシャープペンシルは、0.3~0.9ミリまで色々な太さのものがあります。
軸の色が異なりますから、一目で芯の太さが分かるようになっています。
また、重心が低く手にした時のバランスが良く考えられています。
私は、タイトルを書くために
計5本を用意しました。
図を軽視する人が時々いますが、専門論文の場合、図表を入れるのは必須です。
図表を書く場合、0.7ミリの芯では太すぎるのです。
1本で良いですから0.5ミリ芯のシャープペンシルも用意しましょう。
また、項目番号とタイトルは、分かりやすく目立つように0.9ミリ芯のシャープペンシルで記入し、
さらに定規でアンダーラインを入れるようにして下さい。
解答は内容が重要なのは当然ですが、加えて見やすく読みやすく書くべきです。
匠 習作(たくみ しゅうさく) プロフィール
1962年生まれ。北海道函館市出身。本名は菊地孝仁。1988年より医療機器メーカーに勤務し、1991年20代で工場長に就任する。2014年までの23年間、医療機器製造工場の生産管理、人材育成、生産技術に携わる。2012年技術士機械部門、総合技術監理部門を同時に合格し、2016年に独立。 次世代のエンジニアを育てるべく、技術士試験対策講座を主催する。日本で初めてグループウェアを使った通信講座であり、分かりやすい解説、講師と受講者1対1を大事にする指導で人気講座となる。また、科学技術全般を、一般の人・子供向けに分かりやすく説明するサイエンスカフェなども自主開催。機械学会・失敗学会では、事故事例の研究などを行い、これも一般の人向けにセミナーなども開催している。 匠習作技術士事務所代表技術士 |
『講師匠習作の技術士応援ブログ』は、スタディング受講者様へお送りしたメールマガジンの内容をウェブ用に一部抜粋・編集して掲載しております。