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償却性資産の未実現利益消去(アップストリーム)についてです。…

スタディング受講者
質問日:2022年6月10日
償却性資産の未実現利益消去(アップストリーム)についてです。
未実現利益消去の場合、子会社に計上されている利益修正なので、非支配株主持分の修正が発生するのは理解できるのですが、

未実現利益消去に伴う減価償却費の修正でも同様に非支配株主持分の修正が発生するのはなぜですか?

アップストリームなので、未実現利益分の減価償却費を計上しているのは、親会社であり、その減価償却費を修正する→非支配株主持分の修正は必要なしと考えてしまいますがどのように理解すればよろしいでしょうか。
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回答

スタディング 講師
公式
回答日:2022年6月10日
 アップ・ストリームでの未実現利益の消去について、厳密には、子会社の利益の修正と考えて非支配株主持分へ負担させるわけではありません。
 連結会計における未実現利益は、親会社、子会社をそれぞれ単体で考えずにグループ全体(企業集団)として考えることが重要です。
 子会社が親会社に資金を貸し付けている場合における利息の相殺消去を例に考えてみます。
 (借)受取利息 100 (貸)支払利息 100
 子会社の利益の修正という観点で捉えると、子会社の受取利息が減少しているため、非支配株主への影響があるようにも思えます。
 しかし、グループ全体として考えた場合、受取利息100と支払利息100は相殺され、グループ全体の利益への影響はないため、非支配株主への影響を考える必要はありません。つまり、アップ・ストリームでの未実現利益の消去について、「グループ全体の利益に影響が出た場合」に、未実現利益の消去に応じて非支配株主へ負担させることになります。
 よって、子会社が親会社へ償却性資産を売却した際には、親会社と子会社を単体で考えずに、固定資産売却益と減価償却費の消去を総合的に捉えて、「グループ全体の利益がどれだけ増減したか」を考慮して、非支配株主へ負担させることになります。