簿記のQ&A
有形固定資産の取得価格について贈与の場合、仕訳において借方に…
有形固定資産の取得価格について贈与の場合、仕訳において借方に時価をおき、貸方は何を増やすのでしょうか? 株主からの現物出資と同様に考えて、資本金を増やす形にするのでしょうか?
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回答
有形固定資産を贈与により取得した場合、「固定資産受贈益」という収益を計上します。
例えば、時価100,000円の土地を贈与により取得した場合の仕訳は次のようになります。
(借)土地 100,000 (貸)固定資産受贈益 100,000
貸方の固定資産受贈益は、より具体的に「土地受贈益」を用いることもあります。
また、損益計算書上は、通常、特別利益として表示します。
<仕訳の借方>
有形固定資産の取得原価は、原則として、有形固定資産を取得するために支出した金額によって決定されます。
この原則に従うと、贈与による取得の場合には支出額がゼロであるため、有形固定資産の取得原価はゼロとなり、
貸借対照表にも計上されないことになってしまいます。
しかし、この有形固定資産を用いて、将来収益を獲得することを考えると、これは適切な処理とはいえません。
そこで、贈与による取得の場合には、時価などの公正な評価額を取得原価として処理します。
これにより、建物などの償却性資産の場合には耐用年数にわたり減価償却費も計上され、適切な損益計算を行うことができます。
<仕訳の貸方>
贈与による取得の場合には、同時に収益を計上します。
現物出資による取得は、出資の対価(株式に対する対価)として金銭以外の現物の資産を受け取った場合なので、
資本金などの純資産の増加として処理しますが、贈与の場合には株式は発行されないので、収益として処理します。
(俗な言い方をすると、贈与によってまるまる儲かったという処理をするということです)