【ファイナンシャルプランナー】資格に短期でカンタンに合格を目指す4つの秘訣

はじめに

社会人であれば、お金に関する自分の知識を高めたい。キャリアアップのために資格試験に挑戦したい。そのように考えている方は多いのではないでしょうか。

お金に関する資格といえば、FP(ファイナンシャルプランナー)が思い浮かぶはずです。FP試験に挑戦したいけれど、「どんな試験なのか」「実際に合格できるのか」「どのようにすれば効果的に試験対策を行うことができるのか」と悩んで、受験をためらっている方はいませんか?

 この記事では学習に役立ち、カンタンに実行できるポイントをまとめて紹介します。この記事を最後まで読めば、FP試験に合格することは当然、取得後の活かし方まで分かるようになるでしょう。

ただし、この記事はFPの試験制度などについての説明などは、ほとんど致しません。それよりも皆さんの心の持ち方を変え、合格に近づけることに主眼を置いています。試験の仕組みなどは以下のサイトが詳しいので参照してみてください。

FPの試験制度 – スマホで学べるスタディングFP講座 (studying.jp)

秘訣その1:「受かる」と思って始めること!

FP資格に限らず、資格試験を受ける際には「自分は必ず受かるんだ!」という姿勢を持って始めることが大切です。ビジネスの場でも「ゴールから逆算して物事を考える」ということがいわれますよね。

最初はおぼろげな合格のイメージでも構いませんが、受かる人というのはゴールが明確に見えています。皆さんもそうあることが理想です。逆に考えてみると、合格のイメージが見えないなら、合格の可能性は低いともいえます。

そういう状況でもFP資格が欲しいと思うのであれば、予備校や通信教育でのカウンセリングをお勧めします。無料のWebガイダンスも各受験機関で行っていますので、それを見て合格のイメージを作ってください。これに触発されて一気に短期合格を果たした人を私は「元資格学校の講師」として何人も見ています。

秘訣その2:定番問題だけ取れれば合格できる

FP試験は、しっかりと受験勉強した人は高い確率で合格するようにできています。

なぜなら、出題される問題の範囲と傾向がはっきりと分かるからです。試しに、試験主催団体の一つである「金融財政事情研究会(金財)」のホームページで過去問題集を何回分か見てみましょう。

すると、定番問題のオンパレードという事実に気づくはずです。FP試験は学科と実技に分かれていますが、特に実技は同じような問題が何回も繰り返して出題されています。

受かる人は定番問題(特に実技問題)を落としません。学科は知らないことが出てきたら潔く捨て、実技で挽回します。なお、FP試験は学科と実技を合わせて200点満点ですが、60%以上の得点で合格することになっています。

残りの40%の80点分は間違えても合格になるのです。

それではなぜ低めの合格率で推移するのでしょうか?以下で述べます。

秘訣その3:合格率は見かけ倒し

2020年9月13日実施の金財のFP技能検定の2級の合格率を見てみましょう。

(個人資産相談業務のみ抜粋)

 受験申込者数受験者数合格者数合格率
学科試験73,788人63,741人21,102人33.10%
実技試験31,535人26,320人8,873人33.71%

試験結果:2020年9月試験 | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)

いかがでしょうか。半分にも満たない合格率だという結果が分かると思います。

 「だから難しいんだ、受けるのをやめよう」

とは思わないでいただきたいのです。この33%の合格者は、“やるべき範囲“を明確にし、”何回も繰り返した“から合格できたのです。

 繰り返しますが、FP試験は参考書の全部からまんべんなく出題されるわけではありません。定番問題がほとんどなのです。誤解を恐れずに説明すると、定番問題に対して答えのキーワードさえ押さえておけば正解になる問題がほとんどなのです。
それを知らない受験生が多すぎる結果、このような合格率になるのでしょう。

例えばリスク管理という科目の定番問題の一つに「火災保険」と「地震保険」があります。
特に地震保険は、単体で契約することができません。火災保険に付帯し、地震、噴火、津波による火災、損壊、埋没を補償します。

そして住宅建物が5,000万円、家財(生活用動産)が1,000万円を上限に、火災保険の保険金額の3割から5割の範囲で定めます。赤字の部分がキーワードで、①~④に整理できます。

  • 地震保険は火災保険に付帯し
  • 住宅建物が5,000万円
  • 家財が1,000万円
  • 火災保険金額の3割から5割

 これさえ知っておけば、2016年5月学科問題の(4)の選択肢が「正解である」と分かります。同じ問題を繰り返し解いておけば、キーワードは頭の他に身体が覚えますから、対応できることが多くなります。

 「こんなに覚えることが多いのか」と落ち込む前に、覚える訓練をしましょう。闇雲に暗記してくださいとは言いませんが、一定量の知識がないと正解は導けないものと心得ましょう。また、語呂合わせも繰り返し学習には有効です。上記の知識の塊を以下の文に変えてみました。

豪華な邸宅(5000万円)にあるのは良い(1000)家財(万円)だけど、地震で燃えたら保険金額の5割~3割(ゴミ)になる

秘訣その4:インプットとアウトプットをバランスよく行うこと

上記の合格率が低い原因はもう一つあります。アウトプット学習を十分に行っていない受験生が多いのです。知識がないことが不安で何回もテキストを繰り返したものの、肝心の問題が解けません。

これを避けるためには、テキストの一分野を読んだら、すぐにその分野の問題演習をすることです。

ここで使う問題集は、ご自身にとって印象の良いもの一冊だけにしてください。書店の他、インターネットで購入する場合も、挿絵が入っているものが好きなのか、文字だけのあっさりしているものがいいのか、それは好みの問題です。通信講座などを利用している場合には講座で使う問題集以外に手を出すことはお勧めしません。

なぜなら買った問題集を何回も繰り返し学習できなくなるデメリットがあるからです。

ご自身の信頼のおける問題集を3周する方が、多種多様な問題集を解き捨てるよりは十分に実力が着きます。3周するといっても、もう分かりきった問題は飛ばして構いません。1周目はざっくりと、2周目は分からないものを中心に解説もよく読めば、3周目は直前の丸暗記のために時間を使えれば、とてもいい問題演習といえます。

そしてその場で答え合わせをし、ご自身の得意分野と苦手分野を明確にしましょう。初めてでも正解できた問題は比較的得意分野になりやすいため自信を持ちましょう。間違えた問題は十分に検討することで実力がついてきます。

なぜ正解できたのか?間違えた原因と、答えとなるキーワードは何だったのか?十分に検討し、自分なりの間違いノートや、暗記用ノートを作っていっても実力はつきます。

スタディング」という通信講座は、毎回の重要なポイントをあらかじめノートにまとめてくれているばかりか、講座の最後で問題演習を行いますので、忙しい社会人の方にはお勧めです。

 画期的な暗記法で効率よく覚える | FP試験 合格メソッド – スマホで学べるスタディングFP講座 (studying.jp)

秘訣その5:受験勉強は楽しいものです

皆さんは勉強が好きでしょうか?大多数の方は「嫌い」と答えるところだと思います。それには様々な事情があるでしょう。しかしながら、なぜFP試験に興味を持ったのでしょうか?

 冒頭に戻りますが、目的は「お金に関する知識を得たい」「キャリアアップのために」ということでしたよね?

しかし、FP資格の合格証をもらうためには、勉強をしなければなりません。義務教育ならまだしも、社会人になって誰から勧められたわけでもなく、また勉強を始める。これは大変素晴らしいことではないでしょうか。

やる気になればいつでも始められるのが資格試験。やる気がなくなって止めるのも自由です。それでも勉強を続けるということは、皆さんにとってのモチベーションがあるからです。

実は勉強というものは、本来楽しいものなのです。多くの人がこの事実に気づかずに「暗記は辛い」「もう受験勉強はたくさんだ」という大学受験生生活の繰り返しに陥っています。受験戦争の後遺症とでもいいましょうか、非常に残念です。

しかし皆さんが幼稚園、小学校低学年の頃、疲れて眠ってしまうほどに絵本を読んだという記憶はありませんか?勉強もそういう要素を多く持っています。知的好奇心を刺激するのです。そのため、学習の1周目はあまり肩に力を入れないで、内容の理解に重点を置きましょう。そこで分からないことは「あとで他の知識がつけば分かるだろう」くらいの方がいいのかもしれません。

最初から完璧な人は世の中にいませんから。

仕事で疲れた体で1日何時間かの学習をする。FP試験の学習期間を通して高いモチベーションを維持するのは難しく、たまには怠けてもいいのです。それでも試験勉強期間を走り抜け、FP試験合格にたどり着けたならば、職場の同僚も上司も、一目置いてくれるのではないでしょうか。

何より皆さんにとって「FP資格を使って何かができるという人生の選択肢が広がる」ことが価値あるものになります。それだけは心に留めておいてください。

合格の先にあるもの

スキルアップ、キャリアアップのためにFP資格を取得したならば、ぜひその資格を活かしましょう。「合格してハイ終わり」の自己啓発で終わってしまってはあまりに残念です。

 FP資格の活かし方について例を挙げます。

独立系FPとして活動する

FP1級を取得すると、自分のFP事務所を持つ方も多くなります。中には筆者のようにFP2級で独立して、生計を営む者も出てきます。

基本的にFP2級(AFP)以上を取得すると「お金の専門家」という認識をされるようになります。こうなると、1級FPであろうが2級FPであろうが、毎日学習を続け、知識のアップデートを行う必要があるのです。

万一、依頼者からの相談に即対応できなければ自分自身の信用問題になるため、常に緊張感を持っておく必要があります。

企業内FPとして社内で活動する

FP資格は企業で活かせる場面が多くなるでしょう。不動産業や保険会社勤務であれば、直接知識を活用できます。これらの会社の多くは従業員にFP2級以上の取得を奨励しています。

一般企業では、経理部門や総務部門の社員に社会保険制度の説明をしたり、従業員向けの社内セミナーの講師をする方もいます。いわゆる社内のコンサルタントと位置付ければよいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。FP試験の仕組みなどにはほとんど触れませんでしたが、FPの受験に関する心構え、FPとはどういうものかがお分かりいただけたかと思います。最後に試験の出題分野は以下のとおりです。

  • ライフプランニングとリスク管理
  • 社会保険
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

これらの中から定番問題を、前述のインプットとアウトプットの繰り返しを通じて押さえるだけで学科はほぼ合格でき、実技も準備を怠らなければ100点に近い点数が見込めます。

テキスト3周、問題集3周を目標にして実行できれば、知識の定着により定番問題以外の問題も得点できる確率が高まり、合格がさらに近いものになります。

このような受験勉強で合格でき、知識を実務に活かせる資格はFP試験が主なものです。

満点を目指す試験ではありませんので、合格点を少し超えるくらいを目指して頑張ってみませんか?

そしてFP試験合格後が本当のスタートです。皆さんが短期合格してスタートラインに立てるよう心から応援しています。