さっそくですが、FPの相談料に関するデータは下記のとおり。
☆1時間当たりの相談料☆
5000円未満:25%
5000円~10000円未満:41%
10000円~20000円未満:28%
20000円以上:2%
(日本FP協会HP参照)
「時給1万円かー。いいなあ…」という声も聞こえてきそうです。
さて、一般的に資格情報が掲載されるサイトでは、手放しで資格取得を推奨することが多いようです。
もちろん、筆者も切り口や見方によっては取得を推奨しますし、事実そういう記事も多く書いています。 しかし、なかには「ホントにいいことばっかりなの?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。そんなあなたの判断材料になればと今回は辛口に検討します。
目次
料金相場で経営できるのか?
冒頭の金額はあくまで「相談料」ですから、相談以外のもっと複雑な業務など、案件によっては、より高額な収入が得られることはもちろんです。
そこは筆者も夢があると思いますし、実際に高額報酬を受け取るFPは存在します。
では「みんながハッピーな業界か?」というとそうでもないでしょう。
まず「相談」というのは四六時中発生しているようなものではありません。
あなたの周囲のご家族ご友人の顔を思い浮かべてください。
それもできるだけたくさんお願いします。
思い浮かべました?
さて、そのなかで、実際にFPにお金を払って相談したという方は何人いらっしゃるでしょう?
ちなみに筆者はケチ金銭にシビアなので、無料相談会や無料セミナーなら聞きますが、お金を払うとなったら、ためらいます。
あなたと、まわりの方はいかがでしょう?
お金を払ってお金の話を聞く人は、それほど多くはありませんよね。
つまり、「お金を払って相談する」というのは現時点では(あくまで現時点では)世間一般的に優先度が低いのかもしれません。
となると、開業したFP全員のオフィスが毎日相談者であふれかえるということは考えづらいですよね。
つまり「時給1万円=日当8万円=年収2000万円、ではない!」という注意は必要です。
さて対策です。
ネガティブな見方をしましたが、もちろん、人気になれば、より高い報酬の案件で埋め尽くされることもあります。
逆に、安値で参入して顧客を獲得するという方法だってあるでしょう。
また、1日8時間という制約もありません。稼ぐときに稼いでオフを長めに取るというライフスタイルだって可能です。
今回の料金相場という情報に関して言えば、「料金相場があるから安心」というよりは「料金相場を使ってうまく経営する」というほうが独立を検討する場合の視点としては建設的だと筆者は考えます。
勤務系FPの年収の真実は?
独立がだめなら、勤務型の方がもうかるのでしょうか?
さて、勤務型FPの収入事例はいろいろなところにも載っています。
例えば600万円超の事例が多いようです。
これはどういうことなのでしょうか?
「FPを持っているからその年収になった」と考えるのはいささか早計です。
その会社の平均年収が600万円だとすると、FPを持っていようが持っていまいが600万円だった可能性も高いと言えます。
では、FP取得がどんな意味をもっていたのでしょう?
FP取得者の高収入の意味するところはなんでしょう?
多忙な金融や不動産業で勤務しながら、顧客サービスのために資格取得の勉強をしている人物をイメージしてください。
「窓際にいるけど大事な時だけ活躍する」というようなサラリーマン劇画の登場人物ではないはずです。
きっと、真面目にコツコツ、日々の業務にまい進する方をイメージされたのではないでしょうか?
すなわち、FPを自発的にとるような方は、同じ社内でもそもそもの意識がある可能性があります。
あるいは学習をきっかけに意識が高まったということもあるでしょう。
筆者自身、合格通知が人の意識を飛躍的に変える場面を何度も見てきました。
FPの取得をきっかけに金融や経済に興味が出た。あるいは学びの習慣がついた。
こういう事情が勤務型のFPの方のその後の成功を後押ししている可能性は十分にあると考えています。
他には、名刺に記載できる(名称独占資格)という効用を使ってお客様からの信頼を得ることが結果的に社内の信頼につながり、結果として収入につながっている可能性もあるでしょう。
(ファイナンシャルプランナーはそもそも「名称独占資格」というメリットがあります。つまり、資格を持っていない方がファイナンシャルプランナーと名乗ることはできません)
名刺に何にも書いてない人より、ファイナンシャルプランナーと書いてある人からの方が商品を買いやすいというお客様もいらっしゃるにちがいありません。 ファイナンシャルプランナーという肩書が会話のきっかけづくりになった、なんてこともありそうです。
まとめ
独立するにしろ、勤務をするにしろFPをとりまく現状は楽観的なものばかりではありません。
しかし、同時に、考え方ひとつ、活用方法ひとつで働き方に関わらず、個人のオリジナリティが出せる可能性も強く感じました。
その点で、持っていると今後が楽しみな資格のひとつだといえるでしょう。