【中小企業診断士】資格試験勉強の勉強時間を確保する時間管理術

はじめに

中小企業診断士資格の勉強をしている方の中には、勉強時間の不足に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?一般的に、中小企業診断士の合格には1,000時間の勉強が必要と言われています。しかし社会人の方は、仕事が忙しく中小企業診断士の勉強に時間を思うように割けない傾向があります。

そこで今回は、中小企業診断士の資格試験に合計およそ550時間で合格した経験をもとに、効率的に中小企業診断士試験に合格するための勉強法を6つご紹介します。

頻出分野に絞って学習する(余計な勉強をしない)

中小企業診断士の勉強法で、もっとも大切なのは頻出分野に絞って学習することです。

たとえば財務会計ならば「意思決定会計」といったように、中小企業診断士試験では科目ごとに頻出の分野があります。過去の試験で出題された回数が多い分野は、一度も出題されたことがない論点と比べて、ご自身が受験するときに出題される可能性が高いと考えられます。

「何があるか分からないから、マイナーな分野も抑えた方が良いのでは?」と思う方もいるでしょう。

しかし、中小企業診断士の試験は6割の得点率で合格できます。出題される可能性が低い論点を覚えて高得点を狙うよりも、出題可能性が高い論点を重点的に学習して6割の得点率を狙う方が合格可能性を高められます。

そもそも、マイナーな分野を勉強し出したらキリがないため、十分な勉強時間を確保できない方は手を出すべきではありません。効率的に合格したいならば、余計な勉強(マイナーな論点に手を出すこと)をしないように心がけましょう。

なお頻出分野をどうやったら絞れるのかについては、課題と感じている人は多いでしょう。頻出分野をどうやって絞るべきか分からない方は、「スタディングの合格戦略講座(無料・要無料登録)」を見てみてください。

URL:https://studying.jp/shindanshi/trial.html

インプットとアウトプットを繰り返す

2つ目の勉強法は、インプットとアウトプットを繰り返すことです。インプットとは「用語や知識を覚えること」であり、アウトプットは「覚えた知識を使って問題演習を行うこと」です。

中小企業診断士の試験に合格するには、当たり前ですが本番の試験に合格しなくてはいけません。本番の試験では、単純に単語の意味を答えさせる問題よりも、知識を使って文章の正誤を判断したり、知識を応用して解く必要がある問題の方が圧倒的に多く出題されます。

したがって、インプットばかり行って知識を完璧に身に付けても、本番の試験では合格点を取れない可能性が高いです。本番で合格するには、覚えた知識を応用する力が求められます。

そんな知識の応用力を養う上で不可欠なのが「アウトプット」です。 アウトプットは、予備校が出している問題集や過去問を使って、実際に頻出分野の問題を解く形で行います。「ある知識をインプットし、すぐにその知識をアウトプットする(≒問題を解く)」ことを繰り返すことで、知識を応用する力が身につき、難しい応用問題や初見の問題にも対応できるようになります。

最適タイミングでの復習を意識する

よほどの天才でない限り覚えたことは徐々に忘れてしまうので、定期的に復習する必要があります。ただし、適当なタイミングで復習を行えば良いというわけではありません。中小企業診断士試験に合格したいならば、復習のタイミングに気をつけましょう。

最適な復習のタイミングに関しては、エビングハウスの忘却曲線という理論が参考となります。エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者エビングハウスが記憶に関する研究を実施し、その結果をグラフにしたものです。研究により、一定時間が経った後の節約率は以下の通りであることが判明しました。

  • 1時間後:44%
  • 1日後:34%
  • 6日後:25%
  • 31日後:21%

※節約率:ある単語を学習し、一定期間が経った後に、もう一度その単語を覚えるまでにかかる時間・回数を短縮できた割合

以上の結果からは、最初に記憶してからの時間が経過するほど、再び知識を習得するまでに時間や労力を要することが分かります。簡単に言うと、時間が経つほど知識が薄れてしまい、復習の効果が薄れるわけです。

したがって、なるべく知識が薄れていない(≒少ない労力で知識を再定着できる)タイミングで復習するのが重要です。最適なタイミングで復習すれば、復習にかける時間を最小限にできると同時に、過去に学んだ知識を忘れにくくなります。

具体的なタイミングは人によって異なりますが、自分は下記のタイミングで復習を行うことで、勉強時間が不足している中でも中小企業診断士試験に合格できました。

  • 1回目:1日後
  • 2回目:1週間後
  • 3回目:1ヶ月後
  • 4回目:3ヶ月後
  • 5回目以降:3ヶ月おき

勉強時間が不足していて、通常の勉強法では太刀打ちできそうにない方は、最低限復習のタイミングだけでも意識してみてください。

参考:1.短期間で集中的に繰り返すと記憶に定着する スタディング

重要な理論や用語を身近な例に置き換えて理解する

重要な理論や用語を身近な例に置き換えながら理解するのも、中小企業診断士の試験に合格する上でオススメの勉強法です。

たとえば企業経営理論では、差別化戦略やコストリーダーシップ戦略など、あらゆる経営戦略が出てきます。「マクドナルドはコストリーダーシップ戦略を実践している」などと、身近な事例に置き換えて学べば、より深いレベルで用語を理解できる上に、応用力を身に付けることにもつながります。

特に、難しい用語は身近な例に置き換えた方が理解しやすくなります。たとえば「ネットワーク外部性」という用語の定義を調べると、「ある財・サービスの利用者が増加すると、その財・サービスの利便性や効用が増加する効果」となっています。このまま丸暗記すると、完全に納得した上で意味を理解しにくいですし、応用的な問題にも対応できません。

そこでオススメなのが、身近な例(SNS)にネットワーク外部性を当てはめて理解する勉強法です。極端な例ですが、SNSの利用者が自分だけだと、交流できる人がいないので価値はないに等しいです。

しかし利用者が増えて世界中の人が利用するようになれば、誰とでもコミュニケーションを取れるツールとして、SNSの利用価値が高まります。この効果こそが、ネットワーク外部性です。

自分にとって馴染みのある例に当てはめれば、一見難しい用語や理論でも、このとおり容易に理解できるようになるのです。また、納得した上で理論を理解するため、応用的な問題にも対応しやすくなります。

重要な科目とそうでない科目で力の入れ具合を変える

5つ目に紹介する勉強法は、「重要な科目とそうでない科目で力の入れ具合を変える」というものです。

中小企業診断士の一次試験では7つの科目がありますが、すべての科目をガッツリ勉強しようとすると膨大な勉強時間を要します。しかし中小企業診断士の試験科目は、重要なものとそうでないものにハッキリ分かれます。

重要な科目の定義は様々ですが、個人的には二次試験の出題範囲とかぶっている「企業経営理論」、「財務会計」、「運営管理」の3科目が重要だと考えています。

これらの科目を疎かにすると、たとえ他の科目で点数を稼いで一次試験に合格しても、二次試験で合格点を取れず、中小企業診断士の資格を取得できない可能性が高まります。中小企業診断士の資格取得には二次試験の合格が原則必須なので、まずはこの3科目の学習に時間を多く使うようにしましょう。

反対に、「中小企業経営・政策」という科目は、二次試験に関連性がほぼない上に学ぶ内容が少ないです。したがって、勉強時間が不足している方であれば、極力この科目には時間を割きすぎないようにするのが得策です。覚えることが少ないので、1ヶ月前からの学習でも十分合格点を狙えるでしょう。

ただし、これから中小企業診断士試験の学習を始める方の中には、具体的にどうやって力の入れ具合を調整すべきか不安に感じる方もいると思います。上記の説明でも不安を感じる方は、スタディングの合格戦略講座(無料・要無料登録)を見てみてください。

URL:https://studying.jp/shindanshi/

工夫して日々の勉強時間を増やすことも重要

ここまで勉強のテクニックを解説しましたが、日々の勉強時間を増やすことも重要です。

例えば、進んで新規事業の立ち上げやマーケティングの業務に携われば、日々の仕事が中小企業診断士の勉強となるため、忙しい方でも実践力を習得できます。

また、一日の行動を紙などに書き出して、無駄な時間を洗い出すことも、勉強時間の捻出に効果的です。惰性で参加している飲み会や、なんとなくテレビを見ている時間などがあれば、すべて中小企業診断士の勉強に充てましょう。

一つ一つの行動は些細なものでも、すべてを診断士の学習に変えるだけで多大な勉強時間を確保できる場合もあります。

まとめ

勉強時間が不足しがちな方でも、中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法は以下の6つです。

  • 頻出分野に絞って学習する(余計な勉強をしない)
  • インプットとアウトプットを繰り返す
  • 最適タイミングでの復習を意識する
  • 身近な例に置き換えて理解する
  • 重要な科目とそうでない科目で力の入れ具合を変える
  • 工夫して日々の勉強時間を増やす

上記6つの勉強法を実践する際には、動画で学習できるスタディングがおすすめです。重要度の高い論点に絞ったテキストとスマート問題集の活用により、頻出分野に絞ったインプットとアウトプットが可能となります。

今回ご紹介した勉強法を実践したい方は、独学や予備校だけでなく、スタディングの活用も検討してみてはいかがでしょうか?