第4回 長期スケジュールを管理する

はじめに

今回は、一級建築士資格取得のための、長期のスケジュールの立て方及び管理方法についておつたえしていきます。

あなたは、自分で立てた一か月から一年単位のスケジュールを実際に実行して成り立たせることができますか?
仮にスケジュールをしっかりと立てても、実行出来ない方が多いのではないでしょうか。
仕事上の転勤、家族の問題等、長期のスケジュールに影響を与える要素は日常の中にたくさん潜んでおりなかなか計画通りにはいきません。

そうなってくるとそもそもスケジュールの立て方が悪かったのでは?という考えに至ってくると思います。誰しもスケジュールを立てて実行するのは試行錯誤の連続です。

資格勉強における長期スケジュールは、目指すべき方向性を定める重要な指標になります。

私は資格勉強の長期スケジュール管理において一番大切なのはマイルストーンを設定し、適宜修正しながら実行していくいう事であると考えています。これから月に100時間以上の残業をこなしながら、学科、製図試験初年度一発合格した筆者が実践していた長期スケジュール管理方法をお伝えしていきます。

今回を含め、5つの記事を読んで実践していくことで、一級建築士試験の合格がぐっと近づいていくはずです。

第1回 – スケジュールを立てるために必要な勉強時間を理解する
第2回 – 一週間のスケジュールを立てて管理する
第3回 – スケジュールを成り立たせるためのアイデア
第4回 – 長期のスケジュールを立てて管理する ⇦今回
第5回 – 学科試験直前期と製図試験のスケジュール管理

今回の記事である第4回を読むと、

  1. 私が立てた長期スケジュール (学科試験まで)
  2. 長期スケジュールの実行
  3. 長期スケジュールの修正の仕方

の三つが分かるようになっています。

ぜひ圧倒的なスケジュール管理の方法を理解、実行し合格を掴みましょう。

私が立てた長期スケジュール(学科試験まで)

まず初めに長期スケジュールを立てる際に毎月のマイルストーンを設定します。
一級建築士の資格試験であれば、模試や長期休み(年末やゴールデンウィーク等)が適しています。その設定したマイルストーンお足掛かりとして長期スケジュールを立てていきます。
参考で、私の立てた長期スケジュールのマイルストーンを示します

8月 →過去の筆記試験を一度解いてみて、自分のレベルを把握する
  勉強時間 60時間/月

9月 →すべての科目においてテキストを精読する
  勉強時間 60時間/月

10月 →自分の得意だと思う科目の問題集、及び過去問を一科目終わらせる(筆者の場合計画)
  勉強時間 76時間/月

11月 →自分の苦手だと思う科目の問題集、及び過去問を一科目終わらせる(筆者の場合施工)
  勉強時間 76時間/月

12月 →最新版法令集が出るので年内に線引きを終わらせる
   →問題集、及び過去問3科目を終わらせる

  勉強時間 76時間/月

1月 →問題集、及び過去問4科目を終わらせる
  勉強時間 76時間/月

2月 →ここまでに問題集、及び過去問をすべての科目で1周終わらせる
  勉強時間 76時間/月

3月 模試 →問題集、及び過去問をすべての教科で2周目
  勉強時間 76時間/月

4月 模試 →問題集、及び過去問をすべての教科で3周目
  勉強時間 76時間/月

5月 模試 →問題集、及び過去問をすべての教科で4、5周目
  勉強時間 92時間/月

6月 模試 
  勉強時間 92時間/月

7月 一級建築士学科試験
  勉強時間 76時間/月

長期スケジュールの実行

この長期スケジュールを実行するポイントは3点あります

  1. 最初に過去の試験を解くことで、自分の苦手及び得意な科目を把握する
  2. 10月に得意な科目、11月に苦手な科目の問題集、及び過去問をすべて解く
  3. 問題集、及び過去問を2月までに全て一度解き、間違えた問題をチェックしておく

各項目について説明していきます。

1. 最初に過去の試験を解くことで、自分の苦手及び得意な科目を把握する

自分の苦手、得意な分野を点数として目に見える形にすることで、どの科目に力を入れなければならないかわかることが長期スケジュールを立てるための第一歩です。足切りのある一級建築士試験では、得意な科目を伸ばすのも大事ですが、苦手な科目をなくしていくことはもっと重要です。

2. 10月に得意な科目、11月に苦手な科目の問題集、及び過去問をすべて解く

得意な科目の過去問はスラスラ解けるのですぐに終わります。5科目中1科目が終わっているという安心感が、心に余裕を生みます。その直後に、時間のかかる苦手科目に取り掛かり、年内までに3科目終えておけるとだいぶ余裕のある計画になってきます。

3. 過去の問題集を2月までに全て一度解き、間違えた問題をチェックしておく

全ての過去問を解いた後、間違えた問題のみ抽出して、2週目を開始します。2-3週目になってくるとだいぶ問題数も減り、時間がかからなくなってきます。試験本番前までに、5週程度しておけばわからない問題はほとんどなくなっていると思います。

スタディングの建築士講座では問題、過去問をアプリ上で解くことが出来、

「間違えた問題だけをまとめて解く機能」もあるのでチェックが楽です。筆者が考えている何度も解いていくスタイルにはお勧めです。

長期スケジュールの修正の仕方

長期スケジュールは、短期スケジュールを着実にこなしていけば自動的に達成されるものです。しかし、設定したマイルストーンに達しなかった場合は当然修正していかなければなりません。その際に何を捨てて、何を拾っていくか。その優先順位についてお伝えします。

1. とにもかくにも問題集、過去問の進捗を意識

一級建築士試験は過去問との闘いといっても過言ではありません。とにかく何度も何度も問題を解くことが大事です。ほかの勉強とは切り離して考え、継続していけるように計画しましょう。

2. 模試の結果を反映して弱点をつぶす

足切り点を下回るような点を取った場合、これも優先して対策しなくてはなりません。テキストを読み基本からやり直すことも時には必要です。

3. 配点が大きいものを優先する

配点の大きい法規、施工に関しては得意科目となるように優先して勉強していきましょう。特に法規に関しては法令集を引くことは慣れなので、何度も反復してどこに何が書いてあるかわかるように、手と頭になじませていきましょう。

以上、長期スケジュールの管理方法についてお伝えいたしました。次回5回目は直前期のスケジュール、及び製図試験のスケジュール管理についてお伝えしていきます。