資格試験の勉強を始めたけものの、なかなか続けらない。そんな悩みを抱えている方は多いかもしれません。しかし続かない原因、そして続けるコツを掴めば、ちゃんと続けられるようになります。実際に、私自身がそうでした。新聞記者の仕事を辞めて司法試験に失敗するも、その劣等感を解消するため、日商簿記1級や日商ECマスターなど17の資格試験を取得。さらに職業訓練校や専門学校で講師などを経験してきた視点から、勉強を続けるためのポイントをご紹介します。資格試験は自己投資です。しっかりポイントを押さえ、資格勉強に臨んでください。
目次
資格試験が続かない、その原因は何?
そもそも、なぜ資格試験が続かないのか。まずは、主に考えられる3つの原因について詳しく解説します。ご自身に該当するものがないか確認してみてください。
1)忙しくて時間がない
例えば働きながら資格試験の勉強している社会人なら、勉強に割ける時間は限られています。疲れて帰宅した後は、勉強しようと思っても頭に入らないもの。また、翌日のことを考えると夜更かしもできません。
資格試験に合格している人は、その多くが朝勉強しています。1時間ほど早起きして、頭がすっきりした状態で勉強するとはかどります。また、移動中などのスキマ時間を利用するのも一つの方法。いつでも取り出しで勉強できるよう、カバンの中に薄い参考書などを入れておくといいでしょう。
2)やらされている感がある
会社から資格を取れと言われたり、親からすすめられたり。同じ資格だとしても、資格試験の勉強を始める理由はさまざまです。しかし、しぶしぶ勉強していると長続きしません。自分で「やる」と決めない限り、モチベーションの維持は難しいでしょう。そのため、なぜ資格を取るのかを自分の中で明確にしておいてください。
ちなみに私が司法試験を目指した理由は、新聞社時代の上司や同僚を見返してやりたかったから。見返しは「仕返し」と同じですが、だから失敗したのだと思っています。
3)お金をかけていない
資格試験を安く済ませようと思っていないでしょうか。今では無料の勉強サイトも多く、安く勉強できる環境が整っています。しかし、資格試験は自己投資です。お金をかけた分だけ「元を取らなきゃ」という気持ちが働くもの。人からもらった参考書やフリマで安く仕入れた予備校教材で勉強していると、何回も受験する羽目になりかねません。1発で合格したいのであれば、ある程度はお金をかけて、しっかりした資格試験の予備校に通うことをおすすめします。
資格勉強が続かない人向け!プロが教える学習継続のための15ポイント!
私はコンプレックスの塊で、「資格を取れば自信が取り戻せる」という思いから複数の資格を取りました。合格するたびに満足感を得られ、その後は専門学校や職業訓練校などで取得した資格を教える立場に。こうした経験から、資格勉強を続けるポイントを15つご紹介します。
1)できない自分を否定しない
できないから勉強するのですから、「できなくて当たり前」と思えば楽になります。まずは、できない自分を受け入れましょう。新しい知識を身に着けるときは、素直な気持ちで接することが大切です。問題集に取り組んで3分考えても分からなかったら、答えを見てください。解き方を確認して、もう一度復習しましょう。
2)場所を変える
勉強する場所を変えると、気分も変わってやる気が出ます。私も図書館やファストフード店、コーヒー店などで何時間も粘って勉強していたことがありました。特定の場所に行くことと勉強することを結びつければ、その場所に行くことで気持ちが勉強モードに切り替わるようになります。
3)同志を作る
私がもっとも勉強したのは、資格試験の予備校の自習室です。今はコロナ禍で自習室に引きこもることはできませんが、週末は一日中過ごしていました。一人で勉強を続けていると、「他の人が遊んでいるのに、なんで自分だけが…」と寂しい気持ちになることがあります。しかし、一緒に頑張る同志がいるととても心強いもの。資格試験を目指す人のためのコミュニティサイトもありますので、探してみるといいでしょう。きっと「あの人も頑張っているから、自分も負けられない」という気持ちになります。
4)退路を断つ
人間はみんな怠け者です。できれば勉強なんかしたくないけど、勉強しないと合格できません。退路を断つとは会社を辞めて勉強に専念しようというのではなく、勉強せざるを得ない状況に自分を追い込むことだと思ってください。
まずは資格勉強していることを、家族や友人、同僚に宣言しましょう。みんなが応援してくれるようになりますし、勉強に集中できる環境作りに配慮してくれるようになります。
5)小学校の時間割を活用する
毎日をパターン化して過ごすと、資格の勉強がはかどります。例えば起床時間や退社時間、お風呂に入る時間、寝る時間などを毎日一定にしましょう。小学校の時間割をイメージしてください。小学生が毎朝決まった時間に学校へ行き、一日に数科目も勉強できるのは時間割があるからこそできるのです。
絶対にしてはいけないのは、「時間を決めない」こと。時間を決めずにゲームで遊んだり、時間を決めずにSNSをチェックし続けたりするのは最悪です。これでは、いつまで経っても勉強を始めることができません。
6)アウトプットする
定期的に、記憶したことをアウトプットしてみましょう。例えばロールプレイングゲームのように自分が先生になり、誰かに教えてもみるのも楽しいかもしれません。家庭教師をしていた頃、ある教え子は自室の壁に向かって日本史の全体像を説明していました。アウトプットしたいテーマを壁に貼り付けて、うまく説明できたら剥がすということを繰り返していたのです。ちなみに私は、愛猫に説明していました。
7)キッチンタイマーを利用する
長い時間ダラダラと同じ科目の勉強を続けるより、短時間の勉強と休憩を繰り返した方がはかどります。例えば1科目につき60分~90分と決めて、キッチンタイマーをセットして勉強するという方法を試してみてください。家庭教師で指導している中高生にも、同じアドバイスしています。
もう一つ大切なのが、タイマーが鳴ったら必ず勉強を中断すること。調子が出てきて「もう少しできる」という状態でもストップしてください。そうすれば、結果的に集中力がアップしてメリハリよく勉強できます。
8)資格取得後の自分をイメージする
資格試験の勉強が面倒くさい、あるいは疲れたなどネガティブになったときは、取得後の自分をイメージしましょう。自分の未来にワクワクするのです。右脳で自分の未来を具体的に強く思い描くと、否定的な思考に支配されません。「〜かも」から入るとイメージしやすいのです。例えば、以下のように考えてみてください。
- 給料が上がるかも
- 社内で表彰されるかも
- 昇進するかも
- やりたい部署に異動できるかも
- モテモテになるかも
9)完璧を目指さない
完璧主義者は、資格試験に向いていないかもしれません。資格の中には合格率が低く、1,000時間以上かけないと合格しないといわれるものも存在します。完璧に理解しようと頑張る姿は美しいですが、精神的に壊れてしまうこともあるでしょう。
一緒に司法試験を勉強していた仲間で、うつ病になった人を3人知っています。睡眠時間3時間で勉強し続けて、自習室で倒れた人もいました。頑張り過ぎず、適度なペースで頑張りましょう。
10)分からない問題は捨てる
理解しようと頑張っても、どうしてもできない問題があったら捨ててください。資格試験で100点を取る必要はなく、合格すればいいのです。意味不明な問題に時間をかけるより、その他の問題を確実に解けるようにしたほうが効率的。モチベーションを保ちながら勉強を続けるには、分からない問題は捨てるくらいの覚悟が必要です。ただし、「全部分からない!」といって勉強そのものを捨てないようにしてくださいね。
11)否定的な言葉は使わない
「無理」「でも」「だって」という言葉を使っていないでしょうか。否定的な言葉を使うと、思考もネガティブになり悪い方向へ行くことがあります。逆に「まだできる」「ついてる」「大丈夫」など、肯定的な言葉を使って自分を鼓舞してください。つらいときこそ、このような言葉を使うと良いことが起こるものです。
12)散歩する
昼食を食べた後は、どうしても眠くなります。腹7分目にしても、勉強しているとウトウトしてくるもの。そんなときこそ、散歩しましょう。時間は20分ほどがおすすめ。頭がすっきりして、勉強にも集中できます。近くの公園へ行って、ラジオ体操するのも気分転換になるでしょう。
自習室で勉強していたとき昼食後に必ず散歩していた人がいましたが、その人は公認会計士試験を一発合格しました。不動産鑑定士試験に一発合格した人も散歩が趣味で、散歩すると合格するという法則があるのかもしれません。
13)音読する
インプットするとき、参考書を音読するのも一つの方法です。最近の中学校や高校は、声に出して国語の教科書を読むことはほとんどしません。しかし資格試験に関しては、続けるために音読することをおすすめします。例えば音読を1日15分程度と、時間を決めて取り組むと効果的です。目だけでなく、学習に耳からの刺激も取り入れてみてください。
14)朝夕で必ず行うことを決めておく
スケジュールを立てるときは、やるべきことをパターン化しておきましょう。例えば夜寝る前は「暗記タイム」にする、朝は6時に起きてすぐ昨夜覚えた事項を確認する、通勤時間は必ず同じ参考書を開くなど。必ず行うことを決めておくと、実行しないことに違和感が生じます。これは毎朝の歯磨きタイムと同じ。「やらないと気持ち悪い」という感覚が身に付くまで行いましょう。
15)絶対にあきらめない
自分を信じましょう。解けない問題があったり、モチベーションが下がったり、資格試験を続ける中では色んなことが起こります。それでも「きっと合格できる」と前向きに取り組むことが、合格を勝ち取るためにはとても大切です。
まとめ
勉強を続けるためのコツを知り、習慣化すると資格試験の勉強を続けやすくなります。続けたいけど続かないと悩んでいる人は、自分なりのルールを決めてみましょう。まずは1つずつでも、ここでご紹介した方法をぜひ試してみてください。