はじめに

家計の管理をするには簿記とFPどちらが使いやすいのでしょうか?
今回は、「資格を取得して仕事をする」というよりは、「日常生活に、より使い勝手の良いものを探してみる」というコンセプトです。

まず、雑誌やテレビに出ている家計診断とはどういうもの?

雑誌に載っている家計診断ってご覧になられたことありますか?
各ご家庭の収入や支出の内容が書いてあり、良し悪しを診断するものです。
あるいは、お昼のワイドショーなんかでも家計に関するコーナーがありますね。
お金に関する話題は、私たちにとって非常に身近なものです。
さて、そんなメディアの内容。ご覧になった事がある方は、少し思い出してみてください。
ファイナンシャルプランナーという肩書の先生が監修しておられなかったでしょうか?
すると「FPの高度な知識がないとできないのか…」と思いがちですが、実はそんなことありません。
筆者の拝見した限り、そんな難しい金融知識の話が出てきていることは非常にまれ。
ときおり、家庭にある金融資産についての解説や、保険の見直しの勧めなどもありますが、大半が、「この支出が多い」とか「仕事を増やしてみては?」という内容です。
したがって、難しい話をしているわけではありません。
FPの学習ですと、「ライフプランニング」という論点で学習する内容を使っています。
その論点では、家計の収支と、家計の資産に関する見方を学習できます。
これが非常に使い勝手の良い知識です。
テキストに載っているテンプレートがすぐに自分の家計に合わせて使えますから、FP学習の家計管理への即効性は極めて高いと言えるでしょう。
結論:即効性においてはFP優勢

応用の利くのは?簿記orFP?

では簿記に出る幕はないのか?
そんなことはありません。
上記のFPで学ぶライフプランニングも、実は下敷きには会計理論があります。
すなわち簿記との共通性があります。
起業の会計処理で使われる、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書等と根っこのところは同じです。
さらに言えば、簿記の内容を生活用に書き換えたものがライフプランニングとして使われているようなイメージです。
難しそうですか?
確かに、すぐに使うだけならFPのシートに記入していくだけの方が当面は楽でしょう。
では、簿記が優れているところを探してみますと…。
ズバリ、応用力です。
例えば、ムダ遣いってなんでしょう?あるいは逆にお金を使ってもいい場合って?
「費用を減らせ」と言われても、削るばかりではつらいもの。
FPの先生による家計診断でも、一般的には大きい金額から目をつけ、削っていく印象です。
さて、そんな判断も簿記検定の学習内容で「あなたなりの判断」ができるようになります。
例えば、簿記学習では、「支出する費用については売上との関連性が求められる」という会計のルールを学ぶことができます。
あなたの収入を得るために、本当に必要な経費であれば削ることはできないでしょう。
仮に美容代が多くかかっていても、人前に出て、身なりを整えることで収入が変わるのであれば、今回削るのは、ほかの費用かもしれません。
逆に言えば、どんなに少額でも、収入を得るために不必要な経費から見直しをするという視点も持てます。
あなたのみならず、パートナーや家族の支出を説得するためにも、経費の見直しの際にきちんとしたロジックを持つことは、決して無駄にはなりません。
まとめますと、会計の根元の理論を学ぶことによって、あなたなりの費用の位置づけ、これから行う支出の意味付けができるようになります。
会計理論は世界の企業が使うツールです。世界中の人が使っているお金の使い方を学んでおくのも安心ではありませんか?
結論:応用する習慣次第では簿記が優勢

まとめ

FP,簿記ともに長所があり、現時点での優先順位としては今のあなたの好み次第ですが、誰もが使えるものであることはご理解いただけたのではないでしょうか?
時間や費用を気になさる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、考え方を知るだけ、あるいは知ったものから使ってみる、というやり方でしたらそんなに負担はかかりません。
「知っている」という状況を作るだけなら、例えば簿記3級なら30時間程度の聞き流しでもできてしまいます(どのスクールも簿記3級の講義時間はそんな感じ)。また、簿記3級でしたら費用も格安なスクールもたくさんあります。
一方、FP3級でしたら20時間程度で、同様に聞き流しは可能です。(各スクールの講義はだいたいそんな感じです)
知ってみて、面白そうなもの、使いやすそうなものを使ってみる。
幸い、簿記3級やFP3級は数ある資格の中でも、特に費用面で非常にスタートしやすい資格です。
学んでみて、家計管理を劇的に変えてみませんか?