目次
はじめに
退職金のような大規模な資産を持っていない場合、あるいは筆者のような庶民の場合、FPの知識はどのように活用できるのか。
そして、あえて時間を使ってテキストを読む意味はなんなのか?
FPの内容を学ぶメリットを徹底的に考えてみました。
先に結論をもうします。
はじめのうちは「儲ける」というメリットよりも、「損をしない」というメリットが大。
特に「自衛のための知識」という印象です。
では、その結論に至るまでの経緯をご覧ください。
なぜ、プロ任せではいけないのか?
例えば、保険代理店。昨今ではチェーン展開にテレビCMもやっているところがたくさんあります。
さて、それらが看板に掲げているように、かならず「あなたの人生のパートナー」として寄り添ってくれるのでしょうか?
もちろん状況によって、あなたの希望通りになることもあるでしょうし、良識的な業者や担当者さんが大半でしょう。
しかし、保険代理店の収益構造を見てみてください。
彼らがどのようにして儲けているかをよく観察してみると、「手数料収入が多くを占める」というところが多いのではないでしょうか。
すると、「なるべく自分が儲かる商品を売りたい!」というモチベーションが働くことも…。
もしあなたなら、手数料が100円もらえる商品と1000円もらえる商品、どちらを売りたいと思いますか?
私もそうですが、やっぱり儲かるものを売りたいと思うでしょう。
彼らも自身や家族の人生を抱えたひとりの人間ですから、当然そのように動きます。
場合によっては、A商品の方があなたに向いていると本当は思っていたとしても、手数料の高いB商品を売らないといけない場面が彼らには存在するのではないでしょうか?
結果として、消費者が損をする場面もないとは言えません。
非常にネガティブな見方をすれば、「より知らない人間から順番に損をする」仕組みが一部あるということです。
そういう意味で、全く知らない状態から、知っている状況を作るのは、儲けるという目的ではありません。
担当者に的確な質問をすることを含め、会社の状況優先の商品を進められないようにする「自衛の手段」として有効であると考えています。
とは言え、良質なプロに頼むと、費用が心配…
もちろん、顧客軽視になりにくいようなモデルでビジネスをする業者さんもいらっしゃいます。
例えば、私たち消費者が相当な手数料を払って相手に依頼している場合、あるいはその相談相手が保険会社や金融機関からの報酬を一切受け取らないビジネスモデルで展開している場合。私たち消費者目線になる可能性が強くなります。
実際、筆者の知人にも、保険をはじめとした具体的な商品の販売はしておらず、顧客からの手数料で成り立たせている方もいます。
例えるならば、完全に私たち消費者目線のオーダーメードスーツのようなFPさん。
ただし、問題は、金額。
スーツは量販店で買えば1着10000円以下。しかし、銀座でオーダーメードするとなると、何倍もの金額が相場になってしまいます。
同じようにFPへの報酬面でも費用面での問題が発生します。
それはそうです。彼らは保険会社やその他、金融機関から報酬を取れないわけですから、お客様からの報酬がすべて。
すると、時間単価の相談料が1万円を超えることもざらです。
私のように、運用にまわせる金額は「月々数千円がやっと」という状況では数万円の相談料など払えません。
すなわち、一般的にFPの学習内容レベルの金融商品の知識を持つということは、いきなり「お金を儲ける」というよりは、とりあえず、「他人に頼むより自分でやった方が、コスパがいい!」というのが一つの理由となります。
活用法~良質なマネーセミナーとしてのFP受講~
さて、試験を受けて合格するとなると、時間をかかるからイヤだという方のお気持ちもわかります。
では、いきなり気張って、合格をめざすというのではなく、「自衛のための基礎的マニュアルがFPに詰まっている」としたらいかがでしょう?
とりあえず、テキストをめくってみて、あるいは講義を聞き流してみて、マネーのコツをつかむということは決して損はしないはずです。
わかりやすいテキストや講義であれば、良質なマネーセミナーとしては十分楽しめるものです。
また、FPのテキストは情報として偏見や売り込みもなければ、読者をあおるような(よく雑誌にある、○○必勝法!!みたいな)内容ではなく、情報として中立性が高い印象です。
ここが非常に大きいんです。
公平な視点、偏りのない視点、マネー一般常識という点においては他の営利的なテレビ、雑誌等のコンテンツに比べて安心できるものだと考えています。