平成24年度に新設された「法務省専門職員(人間科学)採用試験」は、「矯正心理専門職区分」「法務教官区分」「保護観察官区分」の3区分に分けられます。いずれも人間心理や矯正教育に関するエキスパートを輩出するための試験です。今回は、法務省専門職員の職務内容および採用試験の概要をお伝えします。

職務内容

矯正心理専門職

少年鑑別所または刑事施設・少年院に収容された受刑者に対し、カウンセリングや矯正プログラムの設定などを行います。少年鑑別所に勤務する場合、保護者や学校関係者からの相談なども職務範囲です。

法務教官

少年院や少年鑑別所、あるいは刑事施設に収容された受刑者への指導・助言など更生に向けたさまざまなサポート業務を行います。勤務先は「少年院」「少年鑑別所」「刑事施設」のいずれかで、施設により職務内容が異なります。

保護観察官

地方更生保護委員や保護観察所に勤務し、更生のためのさまざまな取り組みを実行します。具体的には、仮釈放や仮退院に関する審理のための調査、または保護観察処分を受けた少年に対する保護観察などです。

受験資格

2019年度法務省専門職員(人間科学)採用試験の受験資格は次のとおりです。

矯正心理専門職Aおよび矯正心理専門職B

(1) 1989年4月2日~1998年4月1日生まれの者
(2) 1998年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
ア大学を卒業した者及び2020年3月までに大学を卒業する見込みの者
イ人事院がアに掲げる者と同等の資格があると認める者
(3) (1)又は(2)に該当する者のうち、矯正心理専門職Aは男子、矯正心理専門職Bは女子に限る。

原則、30歳以下で大学卒業の有資格者が対象です。

法務教官Aおよび法務教官B

(1) 1989年4月2日~1998年4月1日生まれの者
(2) 1998年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
ア大学を卒業した者及び2020年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
イ短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2020年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(3) (1)又は(2)に該当する者のうち、法務教官Aは男子、法務教官Bは女子に限る。

年齢上限は30歳まで。学歴問わず受験が可能です。

法務教官A(社会人)および法務教官B(社会人)

(1) 1979年4月2日~1989年4月1日生まれの者
(2) (1)に該当する者のうち、法務教官A(社会人)は男子、法務教官B(社会人)は女子に限る。

年齢上限は40歳まで。学歴に関する取り決めはとくにありません。

保護観察官

(1) 1989年4月2日~1998年4月1日生まれの者
(2) 1998年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
ア大学を卒業した者及び2020年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
イ短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2020年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者

30歳以下が対象。学歴問わず受験可能です。

試験日程

2019年度採用試験では、下記の日程で実施されました。

受付期間【インターネット】3月29日~4月10日
【郵送】3月29日~4月1日
第1次試験 6月9日
第1次試験合格7月2日
第2次試験 7月9日~7月12日
最終合格発表 8月20日

試験科目

※身体検査・身体測定は矯正心理学専門職区分・法務教官区分が対象となります。

給与

法務省専門職員の初任給は次のとおりです。

  • 矯正心理専門職:244,320円
  • 法務教官:244,320円
  • 保護観察官:215,040円

(平成30年4月1日現在・東京都特別区勤務の場合)

基本給に加え、扶養手当・住居手当・通勤手当・期末手当・勤勉手当が支給されます。

なお、社会人枠で採用された法務教官の初任給は採用前の経歴を反映して決められます。

公務員の仕事・試験情報について

公務員の仕事内容・試験情報については以下のサイトにもまとまっていますのでぜひ御覧ください。

https://studying.jp/komuin/about-more/




参考サイト:

http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei_kyouse15.html

http://www.jinji-shiken.go.jp/pdf/shiken19.pdf