やりがいのある仕事は、FPに限らず充実して働くことができます。また、さらなる知識取得やキャリアアップなどの意欲にも繋がるでしょう。しかし、FPの資格を取得する前の段階では、実際に自分がFPとしてどんなことにやりがいを持てるのか、イメージできない人が多いかもしれません。そこで今回、現役のFP 3名にアンケート調査を行いました。実際にどんなことにやりがいを感じているのか、ぜひ参考にしてください。

①お客様から受ける感謝の言葉

貯蓄や資産運用など、ご相談内容はお客様によってさまざまです。しかし共通しているのは、皆さん現状あるいは未来に対して不安を抱かれているということ。特にリーマンショックや大災害、あるいは感染症などの社会的事象が起こると、「今のままで大丈夫なのか」と不安は膨らんでしまうものです。そんなとき私たちファイナンシャルプランナーは、お客様のライフプランに合わせたアドバイスを行います。

アドバイスすべき内容は、お客様によって異なります。今時点の状況はもちろん、家族構成や将来のビジョンなど。抱かれている不安と合わせ、そうした裏側にある情報もしっかりヒアリング。私は独立FPですので、所属先に縛られず商品を提案したり、アドバイスしたりできることが強みです。

その結果、お客様から「ありがとう」「安心できた」などと感謝の言葉をいただくことがたくさん。この言葉こそ、私にとってFPとしての一番のやりがいです。中には定期的にご相談くださる方、私のアドバイスが良かったとお知り合いをご紹介くださる方もいらっしゃり、信頼を得られていることに喜びを感じます。

②ライフプランに合わせて最適な保険商品を提案できる

私はFP資格を取得し、保険のアドバイザーとして勤務しています。保険商品の提案については、FP資格を持っていなくても行うことが可能です。しかしFPはお金の専門家。ただ現状のニーズに合わせて保険商品を提案するのではなく、ライフプランの計画からお客様の人生全体を通してお話することができます。これから何年も続く人生において、本当に保険というものが必要なのか。その理由まで含めて必要性をご理解いただき、納得のうえで保険商品のご提案に繋がっていく過程に、大きなやりがいがあります。

もちろん、契約に至ることが仕事上では大切なことです。しかし、私はそれ以上にFPとしてライフプランを考え、これからの未来を安心して歩んでいただくために保険が必要だと感じてもらえること。もちろん、必ずしも保険が必要不可欠とは言いませんし、もっと他に重要なことがあるかもしれません。あくまで保険はライフプランのための手段ですので、アドバイスを通じて、必要な人に必要な保険提案が行うわけです。お客様にとって保険以外の手段が最適なのであれば、無理に保険を勧めることはなく、他の方法をアドバイスさせていただきます。

③自分自身や家族の役にも立てる

FPの資格は仕事だけでなく、自分自身の人生にも大いに役立てられるものです。私自身、FPの資格取得に向けた勉強が、自分のライフプランについても考え直すキッカケになりました。人生は誰しも、いつ、何が起きるか分かりません。結婚や出産はもちろん、病気や災害など。未来を予測することはもちろん、そうした何かが起きたとき柔軟に対応できること。つまりFPの資格は、自分自身の人生を安心かつ充実させる手段になっていると感じています。さらにこの経験は、お客様からのご相談にも役立つもの。自分のことをしっかり考えられていない人に、他人への適切なアドバイスはできないと思っています。

また、FPの資格を取得して、両親や兄家族にもアドバイスを行いました。やはり大切な家族ですから、不安なくこれからの人生を歩んでほしいので。「そんなこともあるんだ」「それなら安心」という声を聞けて、これまでお世話になってきた恩返しにもなったかなと感じています。あまり家族のために何かしたという経験がなかったので、これもFPとして知識を生かせるやりがいの一つです。

ただ、知人から相談を受けることもありますが、そこはプロとして仕事なので割り切らせてもらっています。それでも「お前になら相談できる」と、ちょくちょく相談してくれる人がいて、周囲の人の役に立てている実感は大きな喜びです。

<執筆:三河賢文>