はじめに

公務員試験と行政書士試験の間には、大きな共通点があるのをご存じでしょうか?
公務員「だけ」を目指すよりも「行政書士を経由」した方が得られるメリットがあります。
「将来は公務員もいいかな」とバクゼンと思っている方、特に大学生を想定し、公務員「だけ」を目指すのではなく「行政書士を経由」した方が得られるメリットが多い、その理由をご説明いたします。
また、進路指導やご家庭で大学生にアドバイスが必要な指導者・保護者の方にも、ご一読いただけると嬉しいです。

公務員試験と行政書士試験の共通点

公務員試験と行政書士試験の共通点、それはまず何と言っても試験科目です。

まずは法律。

行政書士試験には憲法、民法、行政法が出題され、民法と行政法では記述式試験にも対応する必要があります。

そこで、上記3科目に力点を置かれる方もきっと多いに違いありません。

公務員試験でも同様に、憲法、民法、行政法が出題される試験種があります。

公務員試験は大きく分けて、法律のような「専門試験を必要とする試験種」と、「必要としない試験種」に分けられますが、行政書士との共通点があるのは、前者です。

例えば、国家一般職。

イメージとしては○○省や○○庁で働くお役人さんです。

専門科目の試験については80問ある中から40問選択して解答する形式。

憲法、行政法、民法(総則および物件)、民法(債権、親族および相続)各5題ずつありますので、これだけで計20問。

つまり、行政書士の学習内容が、解答に必要な問題数の50%を占めます。

地方公務員でも法律学習者のメリットは同様です。

○○市役所や○○県庁で働いている方をイメージしてください。

専門科目が必要とされる試験の場合、例えば「全国型」といわれるタイプを例に挙げます。

その場合40問のうち、憲法、民法、行政法合わせて、13題程度。専門科目の得点の40%程度を占めます。

さらに、専門科目以外の教養科目でも共通点があります。

教養科目というのは専門科目を課す試験種でもそうでない試験種でも一般的に解答が必要な科目のグループ。

ここに政治経済が出題されます。

行政書士試験でも政治経済が出題されますが試験範囲には共通点も多く、公務員試験の学習上、非常に有利になることが想定されます。

政治経済の出題数は自治体にもよりますが、教養科目50問中11問程度。

教養科目の得点の約20%を占めます。

難度としても大きな開きは無い印象です。

公務員試験の弱点を補う行政書士試験

公務員を目指しておられる方の中に、もしご存じない方がいるといけないので最初に確認しておきます。

公務員試験は「採用試験」であって「資格試験」ではありません。

実はここが、「公務員試験最大の泣き所」だと私は考えています。

つまり、筆記試験の成果が履歴書に残らないんです。

もちろん、公務員に採用されたのであれば、履歴書に残りますが、例えば、悲しいのは筆記試験に受かったけど、面接で不合格だった場合。

「公務員試験の筆記試験を通ったけど面接で落ちた」と書くところは履歴書のどこにもありません。

せっかく法律の勉強をし、難関の筆記試験を通過したのにもかかわらず、です。

また、かりにたくさんの試験種に合格したとしても、それは資格ではないのでその成果をアピールするのは難しいと考えます。

(過去の就職活動や、転職活動の内定先を履歴書に書いてアピールすることを考えてみてください。あまりイメージ湧きませんよね?)

そしてさらに、履歴書や職務経歴書を見る人が公務員試験に詳しいとはかぎりません。

だからもし職務経歴書に「○○市役所勤務」と書いてあったとしても法律の学習経験があることはわからないですし、よほど興味がなければ当時の試験科目なんて調べない事でしょう。いや、きっと調べません。

そういう意味で「行政書士」という資格を資格欄にきちんと残しておくことは、法律の学習経験と能力を記録しておけるというメリットがあります。

受験料を考慮しても、決してマイナスではないと考えますが、あなたはどう思われますか?

法律を勉強しておくことで、公務員試験を有利に進められる

ちなみに、昨今、特に地方公務員試験では「人物重視」という建前のもと、専門科目をなくしたり、なかにはSPIだけで受験できたりする試験も、確かに増加傾向にあります。

ただ、「楽な方がいい」というのは皆同じで、そういった試験地には大量の受験者が殺到し、非常に高倍率になります。 そういう意味で、法律をはじめ、社会科学系統の学習をきちんと勉強できる方にとっては専門科目がある試験を選ばれた方が倍率の低い試験種を受験できるメリットがありますし、受験できる先の選択肢も広がります。

まとめ

「採用試験」と「資格試験」はことなります。

資格は一生残ります。

そういう意味で、公務員試験を受験する方は、試験科目や学習方法に共通点の多い「行政書士からスタートする」、あるいは「並行して学んでみる」という選択肢を持っておいて損は無いでしょう。