【必ず勝つ計画】「達成」から回想レッドカーペット/【永田英晃 講師】特別企画

スタディング公務員講座の主任講師を務めていただいている永田英晃 講師による特別企画。

今回は【かならず勝つ計画】について2回に渡り語っていただきました。
公務員試験、就職活動という人生のかかった試験という勝負に挑むみなさまに
是非お読みいただきたい内容となっております!

過去、現在、未来。

我々は学校で英語の文法で時制を習う際に、過去形、現在形、未来形と覚えさせられる。
故に自然と、過去から現在、現在から未来に時空が進むと思い込んでいる。

だが、これは教育的配慮によって刷り込まれた概念だ。
少し専門的な話をすると、「現在から行けない世界」を表す時に-ed形を用いる(仮定法)。

そして過去も「現在から行けない世界」の一つなので-ed形を用いるのだが、子供に「現在から行けない世界」などと言うと、途端に中二病が炸裂してしまうため、とりあえず過去の時に-ed形で、これを過去形と習う。
すると今度は、仮定法を習う時に「何故、仮定なのに過去形なの?」と混乱することになる。

正しくは、過去形など存在せず、あるのは「現在から行けない世界(過去の世界、仮定の世界)」を表す-ed形である。

同じく、未来形と言う形も存在せず、正しくは「現在から行ける可能性が高い」助動詞will(推量・意志)を用いた表現だ。
どちらも、「現在から行けるかどうか」が基準なのだが、子供騙しのために、わかりやすく過去形、未来形と言う言い方で教えているだけである。

ウジウジのスペシャリストになるな

しかし、この教育的配慮が、過去、現在、未来と言う先入観を生み出してしまい、多くの迷える子羊は、語学学習に止まらず、現実世界においても過去を積み重ねることで未来が作られると信じてしまっている

世界をどう認識しようが個人の自由だが、この時間認識は生き方に大きく影響を与えることになるもっとも、過去積み重ね発想は「過去と変わらない未来」を歩むのには最適である。今までと変わらないことをすれば良いので過去依存で事足りる

ところが、試験合格や事業の成功など、画期的に未来を変えるような偉業を達成するには過去の積み重ねは不適切である。むしろ、過去の自分に囚われてしまうと、それが足枷となって新しい自分に変わることができない。過去の拘りが囁く。「本当にそれでいいの?」「失敗するんじゃない?」「今までできなかったじゃないか」と。次第にお先真っ暗となり、ウジウジして無駄な時間を過ごすことになる。そして、ウジウジしているだけでは何も生産できず、結果として失敗し、「ほら、やっぱりダメだった」と、更にウジウジして、気付けばウジウジのスペシャリストだ。だが、キミが目指していたはウジウジのスペシャリストではないはずだ。これが理想と現実の狭間で苦しむ典型である。過去に囚われてウジウジウジウジ・・・。

この原因は、過去をベースに未来に進もうとしていることである。当たり前だが、過去は旧いものであるため、そこに立脚してしまったら新しい未来は生まれない。過去の自分をいくら積み上げてもウジウジするだけで、一向に理想には近付かないのだ。冒険の旅に出ようとして重厚な装備を調え、近所をウロウロ徘徊しても、それは不審者にしかならないのと同じである。

信念は事実を超える

理想を達成するためには、過去ではなく、未来の理想的自分をベースにしなければならない

理想を達成している自分を強くイメージして、そこから逆算して現在を捉える。冒頭の時制の話を思い出してほしい。

過去も未来も「現在ではない」と言う点では同じだ。

どちらも現時点ではイメージすることしかできない。未来は未経験だが、過去は経験済みであるため、過去の方が鮮明にイメージしやすい。これが過去の魔力である。

過去のトラウマが頭を過るのをグッと堪えて、未来を過去並みに強く鮮明に想い描こう。栄耀栄華一炊の夢であっても良い。できれば、それがイメージなのか現実なのか判別できないぐらいに強く念じて欲しい。

余談だが、死刑を宣告された囚人は、例えば殺人の現行犯で捕まったにも関わらず、実刑判決後に無実を主張するようになることが多いと言う。

死と言う恐ろしい結果を受け入れることができず、関連する自分の行為を強く否定し、記憶から抹殺し続けることで、その恐怖から逃れようとする。

すると、本当に記憶から犯罪行為が消えてしまい「どうして何もしていないのに自分は死刑なんだ!」と無実の冤罪を主張するのである。これは極端な例だが、主観の中では、事実と空想をひっくり返すことができる。

未来からのお迎え

さて、強く強く未来の達成をイメージしたら、今度はそこから逆算して、現在の自分を捉える。
過去の延長で現在の自分を捉えるのではなく、未来からのお迎えで現在の自分を形成するのだ。

日本からハワイに行くのに自前の船を浮かべて「確か東の方角だったよなぁ」と手探りで進んでも、無事にハワイに辿り着けるかはわからない。

しかし、ハワイ行きの飛行機のチケットを買って搭乗すれば、余程のトラブルが無ければ確実にハワイに到着する。「東の目的地に行くには東の方角に進む」と言う過去の経験ではなく、「ハワイに着くルート」から逆算して手段を選択した方が確実なのだ。この発想を自意識矯正に応用しよう。

公務員試験であれば、合格の瞬間を強くイメージする。合格がわかり、家族や知人、友人、後輩から祝福される至福の時間。今までの頑張りが認められた瞬間。何とも言えない達成感。そして後輩から「合格までの道のりの体験談を教えてください」と頼まれる。「そうだね。確かあの頃は・・・」と、ドラマであれば、ホワホワホワっと、受験生時代の回想シーンに移るはずだ。その回想シーンが今のキミだ。過去の自分に軸を置いて未来に向かうのではなく、未来の自分に軸を置いて、現在を引っ張る。

何をやるにしても、最初に成功した未来をイメージして逆算しよう。

学習計画も、多くの人は現在を起点に未来に向かって計画を立てるが、それでは画に描いた餅である。そしていつもノルマ達成に縛られ無為に苦痛の時間だけを過ごし、一向に成果は挙がらない。一方で、結果の時点を起点にして、そこから回想しながら、未来から現在に向かって順に計画を埋め込んでいけば、ウキウキしながら取り組むことができる。何故ならば、その坂を越えればハッピーが待っているのだから。

後は、ひたすらその時その時の回想シーン台本に沿って演じていけば良い。回想なのだから、結果はもう確定している。自信を持って一心不乱に突き進めるはずだ。題して「回想レッドカーペット」!この赤い絨毯を敷いた王道の上を威風堂々と歩む。ウジウジ君とは金輪際おさらばして、胸を張って人生を勝ち進もう。