著作権は誰のためにある?

創作物の著作権は著作権者にあり、財産上のあらゆる権利から人格権まで幅広く認められています。著作権の帰属先が著作者にあるのは明白ですが、「著作権は誰のためにあるか?」という疑問に対して、誰もが納得する正解を答えられる人は少ないかもしれません。著作権法をよく読めば、文化的資産でもある著作物が多くの人々に利用されるように、さまざまな配慮がなされていることが分かるでしょう。

著作権の目的は?

そもそも、著作権法は何のためにあるのでしょうか? 著作権法の第1条をそのまま引用します。

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

創作者の権利と利益を守ることが大切なのはもちろん、文化物の公正利用にも配慮しつつ、文化の発展に寄与しなければならない。
これが著作権法本来の目的です

法律では、著作物の著作権は著作者に帰属する(著作権法17条)としています。
小説を書けば、その作者が著作者となり、著作者人格権やもろもろの財産権を有します。


この文脈で考えれば、著作権は著作者ひとりのためにある、と言えるかもしれません。
しかし著作権法では、著作物が与える文化的影響がひろく世間一般に行き渡るように、財産権の権利譲渡や保護期間のルールなど、さまざまな規定を設けて文化発展の一助となる仕組みを整えているのです。

著作物は、自由に使える場合もある

著作物は、著作者の権利を不当に害さない範囲内で、なおかつ一定の条件のもと、自由に使える場合もあります。
どのような条件でどんな著作物が使えるのかも、著作権法によって厳密に定められています。

目的が私的利用の複製(著作権法第30条)

自分、または家族などが私的利用の範囲内で著作物を複製することは、法律上問題ありません。
ただし、著作物の複製方法によっては、著作権者の許諾が必要だったり、補償金の支払いが課せられたりします。

図書館での複製(著作権法第31条)

公共施設である図書館は、記録や資料を公衆利用する目的で、著作物の複製ができます。
また、資料保存のために複製することも問題ありません。
国立国会図書館には、資料の劣化・損傷を避けるために自動公衆送信(インターネット配信、ダウンロード利用など)や電磁的記録の作成が認められています。

学校教育での利用(著作権法第33条・第33条の2・第34条・第35条など)

学校教育で使用される教科書への掲載、教育目的の番組での使用、授業の過程で使用するための複製、または試験問題として使うための複製など、公共教育を目的とする場合は、一定の場合、著作物の利用を妨げられません。

学校での著作物の使用

パブリックドメインについて

著作権は、永遠に保護されるものではありません。
著作権者の死後、一定の期間が過ぎれば消滅し、その後は誰もが自由に利用できることになります。
この制度が「パブリックドメイン」です。

日本における著作物は、著作権者の死後70年間は著作権法で保護されます。
外国人が創作した著作物に関しては、その出身国の著作権法、あるいは著作権に関する国際条約に準じるかたちで適切に扱うことになります。
パブリックドメイン扱いになった古典・戯曲・小説・楽曲・映画などは目的に関係なく、公共財としての利用が認められ、その権利は誰のものでもなく「みんなのもの」となるわけです。

著作者人格権を損ねる行為は禁止される

パブリックドメインの対象となるのは著作財産権や著作隣接権であり、著作者の名誉を守る著作者人格権は対象ではありません。例えば、ある楽曲の歌詞やそのタイトルを、本来の意図やメッセージに反する、あるいは不当におとしめるかたちでの改変は禁止されます。著作者人格権も、法律上は消滅するという考えもありますが、人格や名誉を傷付ける改変行為は遺族から訴えられる可能性に注意しなければなりません。

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ビジネスシーンでは、著作権の帰属先や利用目的、利用のあり方について、たびたびトラブルになることが少なくありません。
一般論で言えば、「著作物=著作者のもの」と考えがちですが、条件付きや特定の場合において、自由使用が認められることもあります。
著作権法とじっくり向き合い、学習すれば、そのような法律上の複雑な仕組みも理解できるでしょう。
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