まずは、宅建士になるまでの流れについて解説します。
資格を取得して活躍するまでの流れは、以下の通りです。
資格を取得してからの流れを事前に把握しておくことで、スケジュールを組みやすくなります。
申込や登録など、期日が決まっているものもあるので、計画通り進められるようにしましょう。
試験の概要を把握し、受付期間内に申し込みを済ませましょう。
以下の表は、宅建士の試験概要をまとめたものです。
項目 | 詳細 |
実施公告 | 原則として毎年6月の第1金曜日に発表
・官報への掲載 |
試験案内 | ・インターネット:試験のホームページにて掲載
(毎年7月第1営業日から中旬まで) |
受付期間 | ・インターネット:毎年7月第1営業日から中旬まで
・郵送:毎年7月第1営業日から7月下旬まで |
受験資格 | 日本国内に居住する人であれば、年齢・学歴に関係なく誰でも受験可能 |
受験手数料 | 8,200円(非課税) |
申込方法はインターネットと郵送の2種類あり、受付期間は1カ月程度と短いです。
受験希望者は、毎年7月になったら自分に適した方法で、忘れずに試験の申し込みを行いましょう。
また、受付期間から試験日までは約3カ月ほどの期間がありますが、受験することを早い段階で決めている方は、受付前から計画的に対策を始めましょう。
【あわせて読みたい】宅地建物取引士(宅建士)試験のスケジュールは?
試験の申し込みを済ませたら、試験日まで計画的に対策して試験に合格しましょう。
以下の表は、宅建士の試験日や試験地についてまとめたものです。
項目 | 詳細 |
試験日 | 原則として毎年1回、10月の第3日曜日 |
合格発表日 | 原則として毎年11月下旬 |
試験方法 | 全50問・四肢択一式による筆記試験 |
試験地 | 原則としてお住まいの都道府県での受験 |
試験時間 | 午後1時~午後3時(2時間)
※登録講習修了者は午後1時10分~午後3時(1時間50分) |
試験日まで期間があるからと油断せず、毎日のスキマ時間を有効活用して合格する力を身につけていきましょう。
宅建士試験の合格発表日は、原則として毎年11月の下旬です。
試験に合格したら合格証書が送られてきます。
しかし、宅建試験に合格後すぐに、宅建士として独占業務に携われるわけではありません。
試験合格後に宅建士となるためには、試験地の都道府県知事の宅地建物取引士資格登録を受け、なおかつ宅地建物取引士証の交付を受けなければなりません。
試験に合格したら終わりというわけではない点に注意してください。
宅建士になるための流れを解説しましたが、宅建試験に合格するためにはどうすればよいのかについて説明します。
ここでは、宅建試験前に知っておきたい以下の情報を詳しく解説します。
宅建の独学合格に必要な勉強時間は、約200~300時間が目安とされています。
受験者によってはすでに不動産や法律の知識がある方もいれば、一切勉強したことがないという方もいるでしょう。
このため、独学で合格を目指すときに必要な勉強時間は、前提知識によって差が出ます。
宅建の合格率は、平成20年度(2008年度)以降は15〜17%台で推移しています。
他の資格は実施年度によって合格率が大きく変動することもありますが、宅建は年によって合格率が大きく上下することはなく概ね安定しています。
気になる合格ライン(合格点)ですが、おおむね35点程度、得点率にして7割程度が合格点の目安となっています。
宅建試験は相対評価方式の試験のため、合格ライン(合格点)は毎回変動します。
平成27年度(2015年度)の合格点は31点ですが、令和2年度(2020年度)10月試験は38点が合格点と、合格ラインが低い年度と高い年度では7点も差があります。
学習を始めるときは、少し余裕をもって38点程度が取れることを目標にするといいでしょう。
【あわせて読みたい】宅建の合格率・難易度の実際は?勉強時間や関連資格との比較を解説
宅建士として仕事に従事するには資格登録が必要です。
とはいえ、資格登録を行わないから資格が失効されるということはありません。
ここでは、宅建士の資格登録をする具体的な理由や手続きなどについて詳しく解説します。
宅建士として活躍するためには、資格登録が必要です。
宅建試験に合格しただけでは、「宅地建物取引士証(宅建士証)」の交付を受けられないからです。
宅建士証を手に入れることで、初めて宅建士になります。
宅建士でなければ、不動産取引に関する独占業務ができません。
宅建士試験の合格者は、試験を受けた都道府県知事に対し、資格登録をすることができます。
資格登録は任意なので、登録をしなくても試験合格の効果が失われることはありません。
しかし、宅建士の資格を生かしてキャリアアップを考えているなら、資格登録は必要でしょう。
試験に合格した時点では「宅建士試験合格者」、資格登録をすると「宅建士資格者」、宅建士証の交付を受けると「宅建士」になるという流れです。
資格登録をするためには、次の3つの要件を満たさなければなりません。
登録の欠格要件については試験科目(宅建業法)に入っているので、しっかり学びましょう。
何をもって実務経験とするかについては、細かな規定があります。
詳しくはこちらのページを参照してください。
【あわせて読みたい】宅建の実務経験にならない業務とは?資格登録の前に必ずチェック!
実務経験が2年未満の場合、登録実務講習を修了すれば、要件を満たすことができます。
この講習について詳しく解説します。
登録実務講習は、国の認定を受けた予備校や学校法人等の機関が実施しています。
どの機関で講習を行っても、要件を満たすことができます。
登録実務講習では、数日間ですがスクーリングして対面講義を受ける必要があるため、自宅や職場の近隣で実施している場所を探すとよいでしょう。
登録実務講習では、次の3つのステップをすべて受講します。
それぞれに要する期間は以下の通りです。
講習の申込をすると、はじめに「通信講座」の教材が送られてきます。
テキストや問題集、動画を使って学習を進めます。
学習内容は38時間相当ですが、スケジュールは決まっていません。
演習問題などがありますので、しっかりやりましょう。
通信講座終了後、1~2日間の「スクーリング」と呼ばれる対面講義があります。
演習会場にて、物件調査の手法を学び、重要事項説明書や契約書を実際に作成します。
2日目の最後に修了試験があります。
よほどのことがない限り不合格にはなりませんが、講座で学んだことへの正しい理解が必要です。
登録実務講習の修了証は、通信講座を受講し、2日間の演習(スクーリング)を受講し、修了試験に合格することで交付されます。
なお、登録実務講習の費用ですが、実施機関により異なります。
2万円前後のところが多いようです。
【あわせて読みたい】宅建の登録実務講習とは?受けないとダメ?内容や流れなど疑問を解決!
登録に必要な書類や費用は、以下の通りです。
これらを受験した試験地の都道府県知事に提出します。
なお、資格登録申請をしてから登録通知書が届くまで、書類に不備がなかったとしても、2カ月程度かかります。
最後に、宅建士の資格更新が必要かどうか解説します。結論として、宅建士は5年ごとに資格の更新が必要になります。
ここでは、上記の内容で宅建士の更新内容について詳しく解説します。
宅建士の資格登録は生涯有効ですが、宅建士証は交付から5年が有効期間とされています。
有効期間後も宅建士として業務をおこないたい人は、5年ごとに更新が必要です。
もし更新を忘れたまま宅建士にしか認められていない業務をおこなうと、法律違反となります。
また、宅建業者で働いている場合、業者には宅建士を一定の割合で設置する義務があります。
更新を怠ると勤務先も義務に違反した状態となるので、注意しなければなりません。
宅建士として働き続ける場合は、必ず5年ごとに更新しましょう。
宅建士の資格更新時に受講する法定講習の内容について、東京都宅地建物取引業協会 研究センターの案内内容を参考にみていきましょう。
項目 | 詳細 |
受講対象者 | 宅建士証を必要とする方で以下に該当する
・宅地建物取引士資格試験合格後1年を経過している方 |
受講方法 | ・Web講習:視聴期間の中で全科目の動画を視聴し、効果測定に合格することで更新する受講方法
・座学講習:事前予約して会場にて受講する方法 |
必要なもの(座学) | ・交付申請書
・受講申込書 |
必要なもの(Web) | ・交付申請書
・受講申込書 |
宅建士証の更新をお考えの方は、自分に適した受講方法で法定講習を受講しましょう。
【あわせて読みたい】宅建士証の更新は5年に1回!講習の内容・コロナの影響・期限切れ対応は?
この記事では、宅建士になるまでの流れや合格するためのポイントを解説しました。
改めて、本記事の内容をおさらいしましょう。
スタディングでは、宅建士試験の受験者に向けた講座を用意しております。
合格に必要な能力を効率的に身につけられる講座内容となっていますので、ぜひ受講をご検討ください。